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和輪姦を自分なりに頑張ってみた。 一応、輪姦+メタ嫌いの人はスルーでお願いします。 霧の艦隊は去った。つかの間の平和が訪れた、かに見えた我が鎮守府。 突如起きた奇怪な現象によりその平和は脆くも崩れ去り、暗雲立ち込める事態になってしまったのだ。 我らが提督が分裂してしまった! この異常事態に鎮守府は原因を特定すべく去った霧の者との接触を図り、原因を突き止めたのだった。 ヒュウガ「ナノマテリアルが原因じゃね?対応?エロパロ的にナノマテリアルの残量エネルギーをエロ的な行為で切らせれば元に戻るよ、うん多分」 なんとナノマシン(大本営発表)の暴走とエロパロ的謎の力が融合し、このような事態が引き起こされたという。 と、うまい事要因と対応が判明したのだった。やったぜ。 そこで我らが艦娘達が出した結論とは… 「なるほど。では提督に好意をもつ艦娘が分裂した提督の相手をし、射精させればそのうち元に戻る、と…」 その案に反対を表明したのは意外にも金剛であった。 「Noooo!!!!提督が私以外の艦娘と関係を持つなんて耐えれないネ!!私が全員の相手をするヨ!」 一人目の提督を部屋に招き、結ばれる金剛。しかし、初心な金剛では歴戦の勇士提督1人を満足させることしかできなかったのだ。 「あひ…ン…も、もう…提督ゥ、私、ま、またイっちゃ…アァあン!…ハァハァ…え、4回戦?ひぁああッ!?」 提督のテクに敢え無く散る金剛。 そんな金剛のイキ様を姉妹達が傍観するはずは無かった! 「提督は!」「私達姉妹が!」「満足させます!!」 そう。比叡、榛名、霧島の三名が参戦したのだ。 「痛ッ…あ、はいッ…大丈夫、です…。て、提督、比叡のココはどう、ですか…?え?お姉様と同じくらい気持ちいい?う、嬉しい…お姉様に近づけた気がしま…ひィん!」 破瓜による痛みを優しく気遣う提督。 「で、でも嬉しい…提督に初めてを捧げれたから…んっ、え…や、何これ、こんなの知らない…ッ!や、怖いよ、提督変になっちゃ…!ああああ!!」 初めての絶頂を迎える比叡、金剛と同じく提督一人に散る。 「榛名でよければお相手しましょう!大丈夫です!提督に躾けられた技でいつものように提督を満足させてみせま…え?3人同時?ひゃアん!///」 提督3人による波状攻撃。それを舌、腰をうねらせ対抗する榛名。 「どうですか…?提督、榛名は気持ちいいですか?んッ…あぁっ!んむっ…!」 「へえ…提督。榛名にもそこまで仕込んでたんですかァ…」 目の前に差し出された肉棒をジュボジュボと激しく貪り、提督を満足させる霧島。 「フフ、でも私しか知らないみたいですね?提督は責めさせると強いですけど、責められると弱いって…」 さらに差し出された肉棒を激しく、しかし弱いところを適確に責める霧島。 「さぁ、提督の赤黒いマイクからたっぷり搾り取って差し上げます。…んぅッ!す、凄い量…どうですか…生意気な私に白濁とした欲望で穢した感想は…?」 顔中にべっとりと付いた白濁液を指で掬い舐め…とろとろに溢れた蜜壷を指で開きながら雌の目で目の前の提督たちを誘う。 「さぁ…提督?こんな生意気なコトを言う艦娘、お仕置きしなきゃいけないって思いませんか?さぁ…たっぷりこの霧島に注いでくださいませ?」 金剛四姉妹にだけ負担をかける訳にはいかない! 「戦艦扶桑、推して参ります…!」 提督に歩み寄る扶桑。しかし運命の悪戯であろうか。不幸にも提督の前で転倒し、何故か持っていた縄紐とたまたま持っていた目隠しが偶然にも彼女の身体を拘束する! 「ああ!こんな、拘束された姿で提督にお仕置きをされたら私…私、調教されて提督の性奴隷にされてしまうわー不幸だわー(棒読)」 戸惑いを隠せない提督。ちょっと関わりたくない。 ………間。 「ああ!何てことでしょう!こんなはしたない格好をきっと提督は視姦してるに違いないわ…!焦らされて私…私…!」 どん引きではあるものの、何かを諦め、察した提督はその熟れた尻を掌で叩く。 「あひィんvvvvて、提督ぅ!この雌豚扶桑をッ!たっぷりと調教してくださいィ!ひィんvvvv」 扶桑の望む言葉攻めをしつつ尻を叩く提督の目は何故か光を失っていたという。 この後は陸奥や武蔵のアナルネタに移行しようと思ったけど眠いのでおしまい。
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前ページ次ページメンテナンス情報 アップデート予告 アップデート内容 コメント タグクラウド 関連ページ アップデート予告 公式ツイッター より転載 次回の「艦これ」全サーバ群共通メンテナンス&アップデートを、明日水曜日【1/29 11 00】より実施致します。【17 00】完了予定です。同メンテに伴うアップデートでは【ヴェールヌイ】の「時報」ボイス等の追加や駆逐艦【新艦娘】2隻の実装等も予定しています。お楽しみに! アップデート内容 公式ツイッター より転載 01▼【ヴェールヌイ】追加ボイスの実装 駆逐艦娘【ヴェールヌイ】の「放置」「補給」及び「時報」ボイスが追加実装されました。こちら、大変お待たせ致しました! 02▼【望月】追加ボイス実装 改装後の駆逐艦娘【望月改?】に、「放置」及び「補給」ボイスが追加実装されました! 03▼【伊8】が建造可能に! 伊号潜水艦娘【伊8】が、建造(通常建造)で建造可能になりました!レア艦娘ではありますが、通常の「建造」で潜水艦を建造可能なレシピで建造可能です。 04▼グラフィック表示の一部修正 【潮】及び【大潮】の艤装が一部正しく表示されていない症状を修正しました。 05▼【新艦娘】駆逐艦2隻の実装! 睦月型駆逐艦【弥生】及び【卯月】が新たに実装されました!【弥生】は通常海域の第2~第5海域、【卯月】は第3~第5海域のいずれかの敵主力艦隊との交戦で、これを撃滅することでゲット可能。また、【弥生】は建造(通常建造)での建造も可能です! 06▼【新任務】が6つ追加実装! 新たな【任務】が計6つ追加実装されました。ウィークリー任務も少し多彩になりました。いずれも任務出現トリガーが他の任務の達成を条件としていますので、すぐに出現しない場合もありますが、前提となる条件がクリアされますと任務受託可能となります。 コメント 最新の30コメントを表示しています。 名前 コメント すべてのコメントを見る タグクラウド 艦娘 駆逐艦 軽巡洋艦 重巡洋艦 戦艦 装備娘 軽空母 睦月型 建造 潜水艦 朝潮型 球磨型 長良型 正規空母 特型駆逐艦 開発 千歳型 妙高型 暁型 川内型 吹雪型 高雄型 最上型 金剛型 伊勢型 白露型 小口径主砲 大和型 阿賀野型 陽炎型 航空戦艦 翔鶴型 祥鳳型 期間限定海域 装備 天龍型 利根型 飛鷹型 青葉型 大口径主砲 水上機母艦 扶桑型 応急修理要員 長門型 古鷹型 艦上戦闘機 間違った報告を入力したので消去 巡潜3型 任務 遠征 イオナ 綾波型 霧 三式潜航輸送艇 巡潜乙型 家具 ぷらずま 海大Ⅵ型a 巡潜乙型改2 島風型 魚雷 天城型 夕張型 中口径主砲 誤ったコメ投稿をしたため削除 関連ページ ▼wikiレンタル代価広告
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大艦巨乳主義 戦艦娘 戦艦娘金剛型 扶桑型 伊勢型 長門型 大和型 Bismarck Vittorio Veneto級 コメント [部分編集] 金剛型 金剛×榛名1-270 ほろよい霧島さんとヤンキー提督1-406 提督×金剛、扶桑、千歳、千代田、加賀1-435 提督×不知火、初春、伊58、霧島、天龍、涼風、愛宕、ヴェールヌイ1-564 提督×金剛1-587 長門(ふたなり)×金剛型四姉妹、由良(ふたなり)×加賀、北上(ふたなり)×五十鈴1-740 提督×榛名2-350 金剛四姉妹ネタ2-323 提督×金剛、提督×比叡2-768 提督×比叡、金剛3-74 提督×伊58×霧島3-650 提督×榛名6-278 提督×霧島6-365 榛名のために7-67 提督×金剛、あきつ丸8-543 提督×金剛「Burning expand」(アナル拡張・和姦)18-484 非エロ 非エロ:金剛と比叡2-798 非エロ:提督×金剛2-825 非エロ:提督×比叡5-829 非エロ:提督×榛名6-707 非エロ:提督×榛名3-82 非エロ:金剛姉妹7-496 非エロ:提督×比叡、金剛1-42避 非エロ:提督×榛名1-871避 非エロ:提督×比叡16-43 非エロ:提督×金剛 Mk.7&アイオワ実装のニュースを聞いて思いついたネタ 18-649 小ネタ 小ネタ:変これ仕様書 金剛編1-268 小ネタ:第七駆逐隊、神通、誕生日、榛名3-477 小ネタ:榛名と霧島13-206 小ネタ:金剛→提督×比叡15-849 [部分編集] 扶桑型 提督×扶桑1-340 提督×山城、扶桑1-358 屋根直してくる(提督×扶桑)2-520 提督×金剛、扶桑、千歳、千代田、加賀1-435 提督×扶桑、山城 鳳翔1-645 提督×扶桑4-589 提督×扶桑1-628避 『元提督、戦艦山城について語る』提督×山城13-643 提督×山城14-807 提督×山城14-827 提督×山城14-866 提督×山城14-922 提督×山城15-11 扶桑型→提督×伊勢15-839 山城×模型、清霜16-253 非エロ 非エロ:提督×山城15-224 小ネタ 1-22扶桑姉妹 小ネタ:扶桑、山城1-446 [部分編集] 伊勢型 提督×伊勢4-212 提督×日向2-445 提督×日向9-622 提督×伊勢14-714 提督×伊勢型15-133 扶桑型→提督×伊勢15-839 提督×日向「伊勢型ジュウコンカッコカリ_01」18-107 提督×伊勢「伊勢型ジュウコンカッコカリ_02」18-332 非エロ 非エロ:提督×伊勢1-539避 小ネタ [部分編集] 長門型 提督×長門4-173 提督と吹雪、摩耶、長門3-46 長門(ふたなり)×金剛型四姉妹、由良(ふたなり)×加賀、北上(ふたなり)×五十鈴1-740 提督×長門3-122 提督×長門5-765 提督×長門7-440 提督×長門7-617 長門8-46 中年オヤジ提督×陸奥2-51 スターリン(提督×長門)10-86 長門×卯月1-876避 アニメを見たながもん15-776 アニメを見たながもんその2 16-79 非エロ 非エロ:長門2-645 非エロ:提督×長門5-338 小ネタ 小ネタ:よりどり陸奥16-467 [部分編集] 大和型 提督×大和7-281 提督×大和11-180 武蔵×提督5-279 提督×武蔵12-36 大和×慰安夫 東「鎮守府慰安労働大和編」中編16-230 大和×慰安夫 東「鎮守府慰安労働大和編」後編16-242 提督×教室の艦娘達16-754 大和×慰安夫 東「鎮守府慰安労働 IF編」17-582 非エロ 非エロ:大和14-65 非エロ:大和×慰安夫 東「鎮守府慰安労働大和編」後編16-242 小ネタ 小ネタ:青年・大和15-553 [部分編集] Bismarck スターリン(提督×ビスマルク)7-136 提督×ビスマルク17-19 非エロ 小ネタ:ビスマルク 18-289 小ネタ 小ネタ:ビスマルクで少佐演説パロ レスまとめ レスまとめ:ビスマルク「○ーメン美味しい」 [部分編集] Vittorio Veneto級 ローマの惚気話 16-810 リットリオの惚気話 16-817 非エロ 小ネタ コメント 最新の30コメントを表示しています。 「教室の艦娘達」は軽巡洋艦大淀の方にいれるべき -- (名無しさん) 2016-01-09 01 20 27 名前 コメント すべてのコメントを見る ここを編集
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「よい風ですね」 「ああ」 時刻はフタサンサンマル。 駆逐艦は寝静まり、大型艦は長い入渠のためにドックで寝静まった。 本日の出撃と執務仕事は終えたが、突如として現れた新たな出撃場所のおかげで ここ最近の執務の忙しさは増す一方だった。 加えてこの鎮守府の提督は決して勤勉と言えるようなタイプではない人間だったこともあり、 資源を倹約するという名目のもと明日は出撃を控えるつもりでいた。 上層部によると今度の出撃場所は一定の期間しか突撃できないとのことだが、 その期間は短くはないようなので、資源倹約という理由に納得してくれた。 数日ぶりに行う鳳翔との2人だけの宴を、夜空にぼんやり輝く三日月が出迎える。 鳳翔の持つ酒瓶や杯と、提督の持つ肴のシシャモをそれぞれ床に置いて縁側に腰掛けた。 もう執務時間外なので提督は帽子を執務室に置いてきており、頭には何も被っていない。 「ああ、全く楽じゃないね。船を仕切る仕事ってのも」 提督がぼやいた。 何気なく放ったそれに鳳翔は反応した。 「すみません。いつも苦労をかけてしまいまして」 「ああいや、それはこっちの台詞というものだよ。 出撃してこの鎮守府や船を守るだけで十分責務は果たせているというのに、 秘書艦やって小料理店やって、あまつさえこうして酒の付き合いもさせてしまっている」 「もう、全部私が好きでやっていることですから。 私には不満はありません」 鳳翔は提督に向けていた顔を、前面に広がる海の方へ戻した。 秘書の仕事は鳳翔以外のほとんどの艦にもやらせてみたが、 結局提督は鳳翔が秘書艦を務めることを一番に望んだ。 秘書の仕事を務められる艦は他にいくつもいたが、 提督はそういった艦の能力でなく、個性で鳳翔を選んだ。 鳳翔には泰然自若という言葉が似合う。 鳳翔が醸し出す穏やかな空気と安らぎを気に入り、ここが自分の帰る場所であり、 第一の故郷が自分の生まれた土地ならば、第二の故郷が鳳翔の傍らなのだ。 つまるところ鳳翔に自分の仕事を手伝ってもらいたいではなく、自分の傍にいてほしいだけ。 鳳翔もまた、自分や他の艦がとても大事にされていると実感しているからこそ、 この提督に不満を持たずについていく気になる。 流れ行く日々は決して楽ではないが、 この提督にとって傍にいてほしいということがよく分かるから喜びを感じる。 「お酌しますね」 少しの沈黙ののち、鳳翔が動いた。 何も言わず差し出された杯に並々と透き通った酒を注いだ。 それを煽り、そこそこの辛さを舌で味わい、塩焼きにされたシシャモに頭からかぶりつく。 「あーうまい」 喉にアルコールを通してゴロゴロした声で感想をこぼした。 適当に塩をまぶして焼いただけでも、 肴に分類される料理なら適当でもそれなりに美味くできるのが利点だ。 普段料理をしない提督でもこの程度の知識は持ち合わせていた。 料理なら『趣味で』店を営む鳳翔にさせればいいはずだが、 提督が鳳翔に自分の作ったものを食べさせてやりたいと自ら行った。 「鳳翔にもお酌してやろう。ほら」 箸を置き、鳳翔の杯にもこちらから酒を注いだ。 鳳翔は何の癖か目をつぶってそれを流し込んだ。 普段口にする燃料とは似ているようで違う液体は鳳翔に飽きを与えさせることはなかった。 「肴も俺が食べるだけじゃなくて、食べてもらいたくて作ったんだよ」 「まあ。……ではいただきますね」 感嘆し、もう一膳の箸を取り、控えめに齧った。 ほどよい塩気とシシャモの卵の食感は味覚を楽しませてくれた。 2人だけの静かな宴は細々と続いた。 時が経つにつれ風は寒くなっていったが、 それに対抗するためお互い寄り添った。 先に肴がなくなったが2人ともその場から動こうとすることはなく、 酒を飲み交わすだけになった。 やがて酒さえもなくなったときは、瓶をいくつか床に並べていた。 2人とも体は温まり、むしろこの夜の風が涼しいと思えるほどだった。 提督の肩に頭を預けていた鳳翔はゆっくりと頭を起こした。 「……提督」 ぽつりとつぶやいただけだが、提督は確かに聞き取った。 それが合図となった。 「……いこうか」 「……はい」 泥酔しているわけではないので、立ち上がることは困難ではなかった。 そのまま2人は片付けもせず肩を抱き合ってその場を去った。 執務室のさらに奥にある提督専用の仮眠室の鍵を締めた。 まさか艦娘の使う仮眠室で行うわけにもいかない。 こじんまりした畳の部屋には布団が一枚敷かれているだけだったが、それで充分だった。 布団に彼女を寝かせた。顔が少し赤いのは酔ったせいか、これから行うことに恥じらいを感じるせいか。 別に抱くのは今回が初めてというわけでもないのに、彼女はこのときになるといつもこうだ。 しかし、それに加えて顔に少しの怯えを現した初めてのときから考えると、全く変わっていないわけではない。 回数を重ねると彼女の顔や体から怯えはすっかりなくなった。 今ではこうして完全に体を委ねてくれるようになったところに、征服感を感じる。 上から両手をついて覆いかぶさっていたが、いい加減欲求を満たすべく顔を近づけていった。 彼女は静かに目をつぶり、抵抗もなく自分を受け入れてくれた。 唇を重ねた。ただ数秒重ねるだけだが、彼女の唇の柔らかさが充分に感じられた。 一旦離すがこれだけで満足するはずもなく、何度も口付けを繰り返した。 欲求は収まるどころか膨らみ、その気持ちが口を離す代わりに鳳翔の衣服を脱がせる行動を起こす。 肩を縛る紐をほどき、絹擦れのシュルリとした音が自分を焦らせた。 毎日行っているわけではないためそこそこ欲求も募らせていたのだ。 「……焦らなくても、私は逃げませんよ」 鳳翔は手のかかる子供を見るような声でそう言った。 逃げる逃げないの問題ではない。 早く、鳳翔を味わいたいだけなのだ。 いくらこういうことに慣れようとも、鳳翔を愛しく思うこの気持ちが廃れない限りは 恥も捨ててはしたなく求めるだろう。もちろん廃れるなんてのは考えられないことだが。 しかし逸る気持ちを抑え、驚かせないようゆっくりと和服を開いた。 皆から年長者として慕われたにしては華奢な肩が顕わになる。 露出度の低い和服に隠された体は日焼けなどしていない。 駆逐艦娘からお母さんのようだと比喩されたにしては小ぶりな、 下着に隠された膨らみが和服から解放される。 華奢な体にはちょうどいいくらいだ。 同じように袴も脱がせ、袴を顕わにした。 こちらも下穿きで隠された下半身が姿を見せた。 もったいぶって、あまりそういうところからではなく、お腹や太股を撫でたりする。 夢中になってて何も言えないまま手を動かしていると―― 「……もう綺麗だとは言ってくれないのですか?」 「そんなことはない。飽きないのなら何度でも言おう。 足も、腹も、胸も、手も、顔も綺麗だ」 普段の調子ならこんなこと吐けない。 酒の力は偉大だ。羞恥心をこうも崩してくれる。 自分は素直じゃない。愛しい人に想いを伝えるのも一苦労だ。 鳳翔は顔を綻ばせた。いつもよりも笑顔成分の乗った笑みに加えて赤らみも付与される。 自分はこの顔が好きだ。ぼうっとなってくる。 すべすべと太股を撫でていた右手も左手と同じ胸へと伸ばす。 胸部の下着を上へずらした。外すのは煩わしい。 小ぶりだと言ったがお椀のようにしっかりとした形で 女性の象徴を主張しているそれを撫でたり揉んだりしていく。 「ん……ぁ……」 しばらく続けたところで胸を揉んでいた左手を止め、 頂点に口をつけて緩くちゅうちゅうと吸う。 まるで赤子のような行為だが、このようなプライドも捨てた行動を取れるのも鳳翔の前だけだ。 柔らかくて、鳥肌立っているのが面白い。 「うううっ、んん……」 まあ、この程度の責めなら口を閉じて嬌声を抑えることも可能か。 ならばと今度は下のほうを口で責めることにしよう。 下穿きを下ろし、まだ濡れていない秘所を自らが濡らすべく顔を近づけ舌を伸ばした。 「あっ! 提督……」 彼女は今どんな顔をしているだろう。 しかし余計なことを考えずに集中して秘所を味わう。 かすかな嬌声を拾いながらそれを味わい、秘所を責めることを続ける。 やがてそこは自分の唾液とそこから出てきただろう液体で濡れることになった。 出口すぐそこまで流れてきたそれを舌で掬い取っては味わって催促するように舐め上げ、掬い取っては舐め上げ……。 「んぁ……、ああ……、はあ……、はあ……」 「はあ……ぁっ!?」 何も言わずに両手の親指で目いっぱい広げ、舌をそこに沈めていくと小さく驚きの声をあげた。 しかし構わず沈めていく。愛液が奥のほうから分泌されてきているのが分かる。 れろれろ。くちくち。 「あっあっ、て、いとく……ああっ」 「何?」 くちゅくちゅくちゅ。 「た、足りません……もっと……」 ならばと唇を完全にそこに密着させ、吸い上げにかかった。 ずずっ。 「ああっ!」 じゅるじゅる、ちゅるるるっ。 「あっ、いい、ですっ、ああ……」
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前回の続き -第2章- 雷ちゃんのはじめての『初めて』- 翌日、電ちゃんは朝から遠征に出ていた。 僕はお昼頃に帰還する電ちゃんを迎えに、港でまっているのだった。 お昼近くになり、電ちゃんが帰還する時間が近づいてきた。 僕は一緒に食堂まで電ちゃんを送ってあげることにした。 電ちゃんは、僕の少し後ろをトテトテと歩いていた。その足音が、突然とまる。 振り返ると、ちょっと離れた位置に立ち止まった電ちゃんが。何か言いたそうな顔をしていた。 「どうしたの、電ちゃん?」 電ちゃんは、顔を赤くして俯くばかりだった。 やがて、顔を上げた電ちゃんがトテトテと数歩、僕に近づいてくる。 電ちゃんと僕との間は、ひっつかんばかりの距離しかない。 「えと、あのね、あのね……」 電ちゃんは、僕と目を合わせるため、ほとんど真上を見上げるように首を上げ、何か言いにくそうにしていた。 けど、その瞳は完全に『お願いモード』であった。 「何か頼みたいことがあるなら言ってごらん・電ちゃんのためならできる限りやるよ」 僕はそう言いながら、電ちゃんの目線まで腰を落とした。 電ちゃんが恥ずかしそうに僕に耳打ちする。 「えと、えと、おねえちゃんにもしてあげて欲しいのです……」 「え?」 僕は思わず大声を出しそうになった。 同じ小隊の那珂ちゃんや皐月ちゃんが振り向き、 「司令官とお話?それじゃ先に行ってるねー!」と行って食堂に向かって歩いていく。 「す、するって、何を!?」 「あのね、せ、せっくすぅ……」 電ちゃんは顔を真っ赤にしながら僕に話してくる。 「そ、そんなこと、簡単に言われても……」 「えと、えと、おねえちゃんもおにいちゃんのこと、きっと好きだと思うのです。 だから、電だけおにいちゃんにしてもらってるのって、不公平だと思うし、電もおねえちゃんと顔を合わせづらいのです」 電ちゃんはそこまで囁くとピョコンと跳ねて僕から遠のいた。 「そろそろ行かないと皆を待たせちゃうから。それじゃ、お願いするのです、おにいちゃん」 電ちゃんはそう言い残すと、呆然とする僕をよそに、トテトテと小走りで去って行った。 ううむ、どうしたものか。 『してあげて』なんて言われても、どうやって切っ掛けをつくればいいんだろう? まさか、無理矢理押し倒すわけにもいかないし・・・。 などと考えている内に執務室に着いた。 執務室のドアノブに手を掛けた時、中からくぐもった声が聞こえてきた。 僕の留守中に誰だろう・・・? 僕は用心して音を立てないように少し扉を開き、中の様子を伺ってみる。 「………っ!」 僕はまたもや声を出しかけた。 そこで、見たものは……。 「……あぁ……お兄ちゃん……私、カラダがすごく……あつくなってきちゃった」 僕の机の前の部分に寄りかかっている雷ちゃんが、 足を女の子座りにして頬を真っ赤に上気させながら、自分の胸元に両手を置いていた。 雷ちゃんの胸には、汗に濡れた体操服がペタリと張り付いている。 雷ちゃんは掃除のときはいつもこの格好なのだ。 雷ちゃん曰く、動きやすいし、汚れても大丈夫だかららしい。 雷ちゃんは自分の胸を、濡れた体操服の上からモニモニと揉みしだき始めた。 「……ぁ、はっ……お兄ちゃん……胸、感じちゃう……」 あろうことか、雷ちゃんは掃除が終わった後、オナニーに耽っていたのだ。 しかも、僕のことを呼びながら……。 「ほら……もぅ……乳首だって、こんなにとがっちゃって……」 汗で透けた体操服の上からでもはっきりと解るほど、雷ちゃんの乳首はしこりきっていた。 服の上からでも摘めそうなほど、勃起させている。 ほどなく、雷ちゃんは体操服の裾をたくし上げ、つるんとした発育途上の胸を露出させた。 雷ちゃんの白い肌はすっかり昂奮して桜色に染まっていた。 薄い乳房の上にちょこんとくっついた、イチゴ色をした二つの小さな蕾が何とも愛くるしい。 「……お兄ちゃん……私、胸、こんなにかたくなっちゃってる……」 直接自分の胸を揉みしだきながら、うっとりと雷ちゃんが呟いた。 「……あっ……は……ぁん……んっ……お兄ちゃん……私、こんなに感じちゃってるのっ……」 薄く張った乳房を掌で包んで揉み込んだり、乳首を弄ったりして、雷ちゃんはどんどん自分を昂ぶらせている。 「……ふぁ、あん……あはぁ……ぁん……あふ…ぅん」 胸をひとしきり愛撫すると、雷ちゃんは徐々に、両手を下腹部へと伸ばしていった。 スパッツの上から指がワレメに触れたとたん、雷ちゃんはビクッと身体を震わせながら、足を立てて左右に広げた。 雷ちゃんのスパッツに包まれたお饅頭が、僕の目の前の位置にきた。 「……にゃ、お兄ちゃん……ん、んん……ふぅん……ぅん」 雷ちゃんは両手の指をスパッツの上から強く股間に押し付け、キュッキュッと激しく擦りつけていた。 スパッツは微妙に湿気を帯び、雷ちゃんの股間にピッチリ貼りついて、秘唇の形を薄く浮き上がらせている。 その浮き上がったワレメの線に沿って、雷ちゃんは自分の指を滑らせていった。 「……ぁふ、だって私……んっ……くぅ……もぅ……たまんないっ!」 雷ちゃんはスパッツを膝上まで一気にずり下げた。 今度はショーツ越しに、ワレメに指を這わせていく。 雷ちゃんのジョーツは、いやらしいオツユで、もうベトベトになっていた。 「……お兄ちゃんが帰る前に……掃除しないと……」 雷ちゃんはオツユで濡れた絨毯を気にしているようだ、こんな時でも雷ちゃんらしいな、と僕は少し思った。 クチュヌチャと水音を立てながら、雷ちゃんは布地越しに自分花弁を捏ね回す。 秘裂からますます淫液が湧き出してきて、 純白にクマさんのプリントが入ったショーツに更に大きなシミを広げていった。 「……ふぅん……っん、くふ……ぅん……あふっ……」 雷ちゃんは毟り取るように、ショーツをも膝上まで降ろしていった。 雷ちゃんの無毛の秘所が曝け出される。ワレメから零れた愛蜜が、ずり降ろされたショーツの方へネットリ糸を引く。 雷ちゃんは、ワレメの萌しにある肉の莢を自分の指で剥き出しにして、生の木の芽を捏ね始めた。 「……あん……くふぅ……ん、んんっ!」 もう少し近くで見たい・・。 そう思った僕は、思わず身体を乗り出してしまった。 ・・・ゴツンッ! 薄めに開いてた扉に、頭をぶつけてしまう。 「ひにゃうっ!?」 雷ちゃんは、咄嗟に姿勢を直し、慌てて体操服の上を降ろし胸を隠した。 しかし、スパッツとショーツがずり下げられたままなので、三角地帯が丸見えだ。 まだ、恥毛のはえてないツルツルのデルタに刻まれたシンプルな亀裂も見えている。 「お、お兄ちゃん、どこから見てたの?」 僕は、返事に窮した。 「……お兄ちゃんとはいえ……恥ずかしすぎるわ……」 雷ちゃんは顔をこれでもかと言うほどに真っ赤にして、目に一杯涙を溜めながら俯いてしまっている。 僕は、呆然と突っ立ったままでいるしかなかった。 ところが、雷ちゃんが僕の身体の一部に気づいたとたん、表情が変わった。 その一点をじっと見つめている。そこは、つまり・・僕の股間だった。 「……お兄ちゃん、私のオナニー見てコーフンしたの?」 「……」 「したのね、お兄ちゃん?」 返答するまでもなく、僕のズボンは、もっこりテントを張っていた。 雷ちゃんのオナニーを覗いていたのがバレてうろたえたため、少し縮まったとはいえ、まだ八分勃ちにはなっている。 「だったら、私が……」 雷ちゃんは突っ立ったままの僕ににじり寄ってきた。 好奇心半分、母性半分と言ったとこだろうか。 立っている僕の正面に膝立ちする格好で、雷ちゃんは僕を見上げてくる。 雷ちゃんは、僕のベルトのバックルに両手を伸ばしてきた。 カチャカチャと慣れない手つきで、バックルを外していく。 僕は咄嗟に扉を閉め、後ろ手に鍵を掛けた。 バックルが外れると、雷ちゃんは躊躇いながらも、チャックを引き下げてきた。 チャックが開ききると、緩んだズボンが重力に引かれてストンと床に落ちる。 僕の下半身は、トランクスだけになった。 トランクスがこんもりと盛り上がり、巨大なピラミッドを形成している。 「お兄ちゃんの、こんなに大きくなっている……。 ね、お兄ちゃん……さわっても、いいわよね?」 「あ、うん。雷ちゃんの好きにしていいよ」 雷ちゃんがどんな風に弄ってくれるのかな……って想像するだけで、もうドキドキものだった。 「さわるわね、お兄ちゃん」 雷ちゃんの細くてしなやかな指が、トランクスの上から僕の隆起に触れた。 雷ちゃんに触られたとたん、八分勃ちだった僕の肉茎は、 トランクスを引き裂きかねないほどの勢いでムックリと勃起する。 「……すごーい、指が触れただけなのに、こんなに大きくなるなんて……何だか不思議……。 ね、お兄ちゃん、これもう、脱がしちゃっていいよね?」 雷ちゃんは、僕のトランクスを一気に引き降ろした。 張りつめて膨張した肉茎が、雷ちゃんの目の前にババンッと跳ねるように飛び出す。 「きゃうんっ」 小さな悲鳴を上げ、天井に向かって威風堂々そそり勃つ僕の怒張を、雷ちゃんは食い入るように見つめている。 充血して赤黒く照り光る亀頭、血管の浮き出た茎の表面、剛毛にけぶる肉袋。 見た目には結構グロテスクだが、女の子はどう感じるのだろうか。 「なんだか……とってもかわいいわ、お兄ちゃん」 「かわいい?」 「だって、お兄ちゃんのだもの。太くて長くて……すごく愛おしいって感じがするの」 雷ちゃんのローズピンクの舌が、いきなりカリ首の敏感な部分に触れてきた。 「あふ、お兄ちゃんの……ん……れろれろ……」 「ちょ、ちょっと、雷ちゃん……」 「男の人って、こうされると気持ちいいんでしょ?」 「うん…そうだけど。どこで覚えたんだい?」 「お兄ちゃんの机の中にあった本に書いてあったの」 僕は、ばれていたのかという衝撃を受けながら、ジト目で見てくる雷ちゃんに目をやる。 僕が返答に困ってると、再び雷ちゃんが僕の肉茎を咥えこんできた。 たちまち、僕の身体に快感が電流のように突き抜け、怒張がビクッと震える。 「やぁん。ちょっと舐めただけなのに、お兄ちゃんのコレ、ビクンビクンするぅ……」 「雷ちゃんがいきなり、僕の一番感じるところを舐めたからだよ」 「え?今舐めたところが、お兄ちゃんのいちばん気持ちいいところなの? それじゃあ、そこをペロペロって舐めればいい?」 「ううん、感じるところはそこだけじゃないからね、雷ちゃん。 やっぱりオチンチンとか袋とか、全体をまんべんなく気持ちよくして欲しいな」 「じゃあ……こんな感じかしら?」 カリ首に触れていた雷ちゃんの舌先が、裏筋に沿ってツツツッと根元の方へ降りていった。 雷ちゃんの唇が僕の肉竿にペトッと貼りついて、フルート奏者のように表面を吸引してくる。 まだ、ぎこちなさの残るフェラチオだったが、それが一層、僕の昂奮に拍車を掛けた。 ・・ちゅむん……んっぷ……きゅむん、ちゅぱ……ちゅく……ぷはっ! ・・くちゅ……くちょ……くちゅ、くちゅ……ちゅっぷ! 肉茎がしゃぶられる音に混じって、違う音が聞こえてきた。 見ると、雷ちゃんが僕のモノを咥えながら、自分で自分を慰めている。 僕の快楽波動が下腹部に集まってきた。限界が近い。このままでは、雷ちゃんの口の中に発射してしまいそうだ。 その時、ふと、目を閉じて肉茎をしゃぶっていた雷ちゃんの瞼が開いた。上目遣いに僕を見つめてくる。 僕と雷ちゃんの視線が絡み合った。僕は、そのまま視線を雷ちゃんの下腹部へ落とす。 フェラチオしながら自慰をしていたことを知られた雷ちゃんは、 少しばつが悪そうな表情をして、一旦僕の肉茎から口を離した。 「お兄ちゃん……セックスしましょう」 電ちゃんから『おねえちゃんもお兄ちゃんのこと好きだから』と聞いていたとはいえ、 あからさまにそう言われて、僕はどぎまぎするばかりだった。 「で、でもね、こういうことは……」 「だって、お兄ちゃん、昨日は電と……」 見られていたのか・・。 雷ちゃんの瞳から、ボロボロッと涙が零れた。 いつもはしっかり屋さんなのに、意外と泣き虫なんだ・・。 僕は雷ちゃんを抱き上げ、ベッドに横たわらせた。 膝まで下げられたスパッツとショーツを脱がしてあげ、優しく覆いかぶさる。 雷ちゃんの髪の毛を撫でて上げ、僕はくちづけた。唇同士が触れ合う程度のごく軽いくちづけだ。 雷ちゃんは、嬉しそうにはにかんだ。 僕は、雷ちゃんの体操服の上を捲り上げた。 膨らみ始めたばかりの胸の薄い脂肪を集めるようにして揉み上げる。 そして、ツンと尖ったイチゴの蕾を口に含んだ。 「あん、あぁぁぁーっ!」 蕾を舌先で転がしたり、軽く噛んだりする度に、雷ちゃんは甘い声を上げた。 僕は片手で一方の胸を責めながら、もう一方の胸を口で責める。 雷ちゃんは、今まで自分で慰めていて我慢の限界に達していたのか、 僕の太股を雷ちゃん自身の両の太股で挟み込んできた。 僕は太股に、ヌチャっとしたものを感じた。それは、雷ちゃんの股間からしとどに溢れる淫蜜だった。 雷ちゃんは、僕の太股に股間を押し付け、前後に動かし始めた。 枕を股に挟んで、オナニーをする女の子も結構いるって聞いたことあるけど、雷ちゃんもそうなんだろうか・・? 僕はそんなことを考えながらも、雷ちゃんの胸への責めを激しくしていった。 責めが激しくなればなるほど、雷ちゃんの股間を揺さぶるスピードが上がっていく。 「あぁぁぁーっ!いいぃぃぃぃぃーっ!」 雷ちゃんは一層高い声を上げるとともに、僕の太股をギュッと締め付けた。 その数瞬後に、ガクッと力が抜ける。どうやら、軽くイッタようだ。 僕は、雷ちゃんの体操服の上を脱がそうとした。 雷ちゃんは、ばんざいの体制を取って、脱がすのに協力してくれる。これで、雷ちゃんは丸裸になった。 雷ちゃんは、まだ呼吸を荒げている。僕は雷ちゃんの幼い身体をじっくり見つめた。 すると、雷ちゃんがこう言った。 「私だけ、裸なんてずるいわ。早くお兄ちゃんも服を脱いで……」 僕は、雷ちゃんに言われた通り、纏っている物を全部脱いだ。これで、二人を覆い隠すものは何も無い。 裸の僕は、裸のままの雷ちゃんの隣に横たわった。 雷ちゃんの呼吸が整ってきた。僕は、雷ちゃんに覆いかぶさるようにし、くちづけた。 今度は、貪るようなくちづけだ。僕は、舌を差込み、雷ちゃんの舌に絡ませようとする。 最初は、どうしていいのか解らなかったようだが、その内、雷ちゃんのほうからも、おずおずと舌を絡ませてきた。 僕は、雷ちゃんの口腔粘膜を蹂躙しながら、足を大きく開かせた。 自分のペニスの先走り液を肉竿全体に馴染ませ、先端を雷ちゃんの秘孔に宛がう。 雷ちゃんの秘蜜をペニスの先端に馴染ませるようにした後、僕はゆっくりと腰を進めた。 「痛いかい?」 「う、ううん。そんなに……」 そう言いながらも、雷ちゃんの額には汗が滲んでいた。 僕は、そのままグイグイ腰を推し進めた。メリメリッと肉が裂けるような感触がする。 ブチブチッと粘膜が破れる音が聞こえたような気がした。 「かっ……は……いったーい!」 僕は腰を進めるに連れ、雷ちゃんがベッドをずり上がっていった。 ずり上がれないように、雷ちゃんの両肩を抑えて腰を一気に最奥まで打ち込む。 「いたいっ!いたいっ!いたいっ!いたいっ!いたいっ!いたいよぉーっ!」 いつもはしっかり屋さんの雷ちゃんが、我を忘れて泣き叫ぶ。 雷ちゃんはそれでもずり上がろうとし、ベッドの柵に頭が当たってしまった。もうこれ以上、逃げられない。 「いたいよぉーっ!ぬいてっ!ぬいてっ!ぬいてっ!ぬいてよぉーっ!お兄ちゃーんっ!」 雷ちゃんは本当にパニック状態だった。僕は、繋がった状態のままじっとしていた。 そのまま、雷ちゃんの髪を撫でながら、おでこやほっぺや鼻先に軽いキスを続けていく。 やがて、痛みがやわらいだのか、雷ちゃんが普段の落ち着きを取り戻してきた。 「ごめんね、雷ちゃん。嫌ならこのまま抜くけど?」 「ううん、私こそ、ごめんなさい。お兄ちゃん、動いていいよ……」 雷ちゃんに促されて、僕はストロークを始めた。でも、動くたびに雷ちゃんは顔を歪める。 しかし、幸いなことに今までの昂ぶりと、雷ちゃんの窮屈な処女壷の締め付けが手伝って、 僕の射精衝動は数回も動かない内に、限界を越えた。 「い、いくよ、雷ちゃん」 「き、きて、きてっ、お兄ちゃんっ!」 僕の灼熱の白濁液が、雷ちゃんの処女壷に迸った。 雷ちゃんの身体を綺麗にしてあげてから、僕達は食堂に向かった。 ふと、外を見てみると、辺りはもう夕暮れ時だった。 その夜は、何事も無かったように、夕食を食べ、三人で暫く話をした後に床に着いた。 電ちゃんの時はある程度快感を与えられたけど、雷ちゃんの時は痛がらせただけだったなぁ。 雷ちゃんに嫌われてなきゃいいんだけど・・。 そんなことを思っている内に、僕は眠りに落ちた。 「……わよっいなず……」 「はい……なの……」 「「と・・・・っ!」なのですっ!」 ・・バフッ!バフッ! 「ゴフッ!」 翌朝、いきなりのダブル・フライング・ボディ・アタックで僕は叩き起こされた。 雷ちゃんと電ちゃんだった。 「お兄ちゃん、もう朝よっ!起きなさーいっ!」 「おねぼうさんはメッ!なのです!」 僕は痛いけど朝から幸せ一杯だ、と思いながら食堂に向かうのだった。 ー2章End・
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806 :クズ ◆MUB36kYJUE:2014/07/06(日) 20 55 04 ID WPQREMKw 以前浜風が無理やりフェラして吐く長編を書いた者です。 上の方でトリップつけたほうがいいというような議論があったみたいなのでつけさせていただきます。 祥鳳って前付き合ってた男の事をずっと根に持ちそうだなという発想から大鳳との修羅場ものを書きました。 長編未完 エロ薄い(後の話でもっとがっつり塗れ場を書きます) なので苦手な方はスルーをお願いします。 行間詰めすぎとの事だったので台詞前後に空行を入れます。 序章 吸い込んだ空気は容赦なく、喉を炙るように通り過ぎた。肺腑凍てつき、背筋には槍の刺さったような痛みが走り、彼は思わず真白 い吐息に手をかざした。波の岸壁に打ちつけるごぅごぅという音が、厭に大きく厭に不気味に、辺りを猛然と駆け巡っている。 正月飾りの取り払われた玄関には、寂寞と孤独が横たわっている。目前にあるはずのアスファルトは夜の闇に解け消えて、灰色の石 段だけがくっきりと浮かび上がった風であった。未開拓の無人島にぽつねんと取り残されたような、そういった凄まじい哀情が沸いて きて、彼は居た堪れなく焦って足を動かし始めた。吹き荒ぶ海風に当てられた耳が裂かれたかのような痛みを発し、頬は一歩踏み出し た途端に真っ赤になる。外套のポケットに突っ込んだ掌は、それでも隙間から入り込む冷気によって一向温まる気配もない。鳥肌立っ た背中が肌着と擦れ、ぞっとしない感触に肩が震えた。 少しでも中から体を暖めようと、彼は足を速め岸壁沿いを進んで行く。 寒風荒ぶ夜の中この提督が外へと繰り出したのは、何も酔狂によるものではなかった。元来風来坊の性質を持って生まれたために、 確かに周りからは変人という肩書きを与えられていた彼ではあったが、今回のこの行動に限って言えば、常識の範疇内の理由による外 出なのだと説明できる。 腕時計を見、現在時刻が体感のものより大分遅れている事を、彼はどこか安堵した思いに受け止めた。意外にも、執務室を飛び出し てからまだそんなには経っていない。眇めた眼にて用心深く辺りを見渡し、人の気配の無いのが分かるとまた足を速めてゆく。 秘書艦である祥鳳が、鎮守府宿舎から出て行った。その情報の執務室へ転がり込んできたのが、つい五分ほど前のことである。 それは当直の警備に当たっていた妖精が報告したものであった。息を荒らげ興奮気味に戸を抜けたそれは、提督に宥められつつ叫ぶ ようにしてあらましを説明した。 曰く、怪しい人影がふらふらと危うげな足取りにて歩いていた、そのシルエットは大きな二つ結びで確証はないにしても 祥鳳らしき事、声を掛けようとしたものの背後から発せられていた徒ならぬ雰囲気に怖気づいてしまい、結局は黙って見送ってしまっ た事。大雑把にそんな内容である。 日はとうに西に沈み、月とクレーンの航空障害灯だけが静かに闇を照らす時分。霧のようにぼんやりとした白光を赤い明滅が彩る様 は、途方も無く寂しいものである。秘書仕事を終え部屋に戻ったはずの彼女が、今こんな時に外出するなど俄か信じがたい事であった。 急ぎ内線で門の警備に連絡を取った所、一切外へ出て行った者はないとの返答。恐らくは、鎮守府の敷地内を放浪しているらしかった。 そこまで差し迫った危険性は無いと分かったにしろ、やはり憂慮せずにはいられない。もしかしたら余計なお節介なのかもしれない と、そう思う気持ちもありはした。しかし、胸を締め付ける気遣わしさには到底敵うわけがなく、提督はラックに掛かった外套へ急ぎ 袖を通したのだった。 彼女の赴きそうな所に、幾つか当てはあった。事の報告をした妖精は他の艦娘にも協力を仰ぐよう提言したが、すかさずにそれは却 下された。この破滅的行動は間違えなく心内の問題から発生してるのだろうし、だとしたら解決しやすいのは自分であると、提督には そういった自負があったのだ。 何も自惚れであるとか、過剰な自意識によるものではなかった。客観的に見ても、彼の考えは実に妥当なものだと言えた。おおよそ、 その鎮守府の誰もが知りえない秘密が、二人の間には確かに存在していたのである。 即ち祥鳳と提督は、実に三ヶ月ほど前より恋仲にあった。秘書と直属の上司という間柄は、厳重な秘匿の元で時に男女の関係に変化 していた。その律儀さたるや、噂好きの幾らかの艦娘にさえ、未だ疑われもしていないほどである。 決して公に睦まじくすることはなかった。両者とも、絶対に第三者に知られてはならないと固く信仰しており、その無言に交わされ た約定のような制限が、決して外れぬ楔となっていたのだった。 彼らは、立場ゆえの関係の掩蔽に烈しい刺激を見出してもいた。仕事の関係から外れたたまの逢瀬は、痛く思えるほど耽美に過ぎ、 それは当人達でさえ思い出すだけでも頭を抱えたくなるような代物だった。それだけの慈しみがこもっているからこそ、提督は決して 捜索に仲間を募らなかったのである。 凍えに凍えた空気は、しかし幾ら取り込んだところで煮えた頭を少しも冷ましてはくれない。一番近しい所にいたくせに、彼女にこ んな事をさせてしまった事。まったく何にも気が付かなかった自身の鈍感さが恨めしく、歯痒かった。地団駄の踏みたいのをぐっと堪 え、提督は後悔と贖罪の意を胸に、暗闇に目を凝らしていった。 幾らほど歩いたか。やたらに早まっている体内時計を鑑み、およそ五分は経った頃か。提督は視線の先に薄ら女性の輪郭を捕らえる ことができた。鎮守府の敷地内でもっとも大きな防波堤の末端。海水のぶつかった飛沫がかかるのを意にも返さず、ぽつねんと体育座 りに腰掛ける、大きな三つ編み二つ結びの影である。 彼女は身じろぎ一つせず、物思いに耽っているのかただ暗晦な海面を見つめている。暗がりからぼぅと影が浮き出た様には身の毛の よだつ程の凄みがあって、事情を知らぬ者が見たならきっと心霊の類と見なすだろう。そう思えるほどの気味の悪さが漂っていた。 かっぽりと削り取られるようにして作られた防波堤の階段。その小さな段を一歩ずつ昇り、とうとう彼女と同じ地平に立つ。乱雑に 詰まれた波消しブロックの、海水のぶつかる度に降りかかる霧が、途端提督をしっとりと濡らした。 氷のような冷たさを湛えた霧である。海に向かって進めば進むほど、それはより濃くなっていった。耳の感覚は消え失せ、指先や膝 が独りでにがたがたと震え始める。 「祥鳳!」 防波堤の中腹、ちょうどくの字に曲がるその起点にまでたどり着いた頃、提督は彼女の名を自棄になったように叫んだ。前髪の毛先 がシャリシャリに凍り、それがちょうど眉間を叩くから不快な事この上ない。足先や指先の感覚が、末端から溶ける様に消えていた。 かちかちと歯が鳴った。顎を震わせている姿を想像すると、何とも無様で格好の付かない様に思われ、彼は無理やり飲み込むように してそれを収めた。状況として、決して彼はそう意図しているのではないが、どうしてもこの先颯爽と登場するようになってしまうの だから、最低限瀟洒な風情を漂わせようと思ったのである。 情けなく震えた叫び声を耳に入れ、祥鳳は途端無意識に背を跳ねさせた。 すぐ近くにまで寄ると、彼女はゆっくりと振り返る。その佇まい、髪は濡れ唇は青白く瞳はどんよりと濁り、それでも微塵も震えて はいないその様子には薄ら寒い気持ちを抱きもした。提督は彼女の頭を撫で 「帰ろう。皆心配している」 開口一番にそう言った。 何故ここに来たのかだとか、何故こんなことをしたのかだとか、そういったことを聞くのはやはり憚られた。話したいのならば自分 から口を開くだろうから、今はただ何時もらしくに接すればいい。提督はそう結論付けると、あとは濡れそぼった彼女の髪をひたすら 指で梳くだけになった。 それ以上両者から、何も言葉は発されなかった。静けさに耐えられなくなったか、祥鳳はしばらくの後、彼から目を逸らして再び海 面に視線を向けた。 触られることに抵抗しない様子を認め、とりあえずは彼女を立たせようと、提督は地に置かれた小さい手を取ろうとした。冷えて感 覚も希薄になった掌は、それでも祥鳳に比べればまだまだ血の気は通っているらしく、握った手は吃驚するほど冷たく思えた。 華奢で骨ばっている為か、まるで氷に厚手の布を巻いたかのような感触である。戦闘時には何時も弓の弦を引き絞っているから、人 よりも皮膚が厚くなっているのかもしれない。幾回も体を重ねその度に指を絡ませていたにも拘らず、今初めて知った事実であった。 きっとそういう鈍感さだからこそ、今まで彼女の仔細な機微にも気が付かなかったのだ。そういった自嘲の念がわだかまり、彼は頭を 抱えたくなった。 今すぐにでも額を地につけ、ひたすら謝罪をしたかった。彼女の望む事なら何でもこなしたい、仮にこの海に飛び込めと言われたな ら喜んでその命に従うだろう。そういった悔悟はじくじくと胸を痛ませたが、果たしてそれが免罪符にならないことも知っていた。 今この段階ではとにかく帰ることが先決だと、そう思い直して腰を上げる。掴んだ掌を引っ張ってみると、まるで釣り上げられるか のようにして彼女も立ち上がったのだった。 提督は自身のコートのポケットに、掴んだその掌を入れ、更に指を絡ませて握った。服越しの体と掌で挟みこみ、少しでも暖かいよ うにと体を寄せる。カイロや、何かそういった類のものを持ってこなかった事が、今更になって悔やまれた。 一歩、恐る恐る足を踏み出してみると、彼女も続いて歩を進めた。足取りは覚束なかったが、抱える必要があるほど衰弱しているわ けでもなさそうである。ゆっくりと歩くべきか、冷えるから足を速めるべきか。気遣うという同じ源泉から湧き出した背反する思いは、 何とも煩悶たるものであった。 「寒いね」 「上のケチ共は資材上限を絞っているんだな、まったく」 「新たにレ級なんていう敵も発見されたらしい。物騒なことだよ」 帰路につき、そのようなことをポツリポツリと話しかけてみても、まったく何も反応はなかった。彼女はただ顔を伏せ、半歩遅れて ついて来るだけである。握り返してくれている手の感触だけが、唯一の繋がりを示す楔に思えてきて、感じられる存在の気配はどんど んと希薄になっていく。やがて話題のストックが消え果てると、提督もただ黙々と足を動かすだけになった。 来た時よりも大分長く感じられるアスファルト舗装の道は、それでも何時しかその終端には辿り付けるのだった。ずっと先に見えて いたはずの光の粒が、今でははっきりと鎮守府の窓から漏れる灯りだったのだと認識できる。そのぼんやりと浮き出た建物の影に、ど こか安堵を覚えた。 彼はつと祥鳳の方へ視線を向けた。もうすぐ着くぞと、そう言いたかった訳であるが、思い返せば手を握ってから彼女の顔をきちん と見てはいなかった。腕の触れるほどすぐ近くにいたために、寧ろ何時もより様子を認めるのを怠っていたのだ。普段外では大っぴら に、恋人のように寄り添って歩くこともままならなかったわけだから、変に緊張していたのかもしれない。だがこの時まで、祥鳳のそ れにまったく気がつかなかったのは、間抜けとしか言いようのない愚鈍な過ちだった。 彼女の顔を見て、提督の口からは吃逆のような音が漏れ出した。祥鳳は空いていた方の手でひたすら目元を拭い、よく耳を澄ませば、 波飛沫の音の狭間に、小さな嗚咽も聞く事ができる。歯を食いしばり、時折肩を跳ねさせながら、手の甲を湿らせている。そういった 状況を認識するのにも時間が掛かり、顔を向けてから十秒は経った頃、ようやく 「どうした?」 そう一言訪ねる事ができた。 言ってしまってから、何て気の利かない言葉だろうと思った。訪ねたということは、察す事ができなかったと宣言しているようなも のではないか。そう気が付くと、腹から脳天へ悔恨がさぁっと駆け抜ける。 「ごめんなさい」 搾り出すようにして吐き出された謝罪へ、提督も慌てて反応を寄こす。 「いや、別に気にしていない。……だから、泣くのは止めなさい。何も責めないし、言いたくないことは言わなくていいんだから」 「違うんです! そうじゃなくて……それ以外にも、私、謝らなくちゃいけないんです」 過呼吸気味に途切れ途切れ言葉を紡ぐ彼女の様子は、とても痛々しいものである。彼女はここまで言い切ると、後から堰を切ったように漏れ出す嗚咽に、続きを言う事ができなくなった。 気まずい間が開いたが、提督は決して先を急かすような事をしなかった。そんな事のできる権利はないと思われたし、悪意はなくとも結果的に追い詰める事になってしまうのは厭に思えた。 気が付けばポケットの中に手は無く、いや向かい合っているのだからそれも当然な訳であるが、掌に残っている温もりの残滓が寂寞 を掻き立たせてならなかった。一抹の不安感が足元を通りすぎ、胃がきゅうと縮み上がる。ぞっとしない感覚に、提督は思わず生唾を飲 みこんだ。 「一つお願いがあります」 意を決した風に、祥鳳は彼を見つめた。纏う雰囲気からいうならば、睨むと形容してもおかしくは無い。語気は冷静沈着なれど、滲 む凄みは紛れも無く、高ぶった感情のそれである。 「うん。何?」 「私と、別れてください」 提督の口からは、再び引き攣った吐息が漏れだした。 意外にも、その言葉を聞いたときに何かショックを受けるような事はなかった。ただ厭な予感が的中してしまったと、そういった納 得のようなものが漠然と心内に広がっただけである。一旦は流れを止めた彼女の涙も、だがすぐに眼は潤みだす。それをぼんやりと眺 め、しかし頭はそういった視界の状況さえ処理できないほどだった。真っ白に、虚無が果てまで伸展する。 「ごめんなさい。理由は聞かないで。……ごめんなさい」 やがて彼女は泣きながら、走って提督の横を通り過ぎた。 その場に立ち続けていると、今更遅れて防波堤で座るという行為の意味を理解できた気がするのだった。極寒が自身を罰してくれ、 しかも地平線に広がる闇は思考を煮詰めてくれる。 一体自分は、彼女の何を分かっていたというのか。 自嘲の念は何時までも、彼の心に纏わりついていた。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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非エロ:提督×大鯨13-470「お・し・か・け 幼妻大鯨ちゃん」 提督×大鯨15-160「ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん」 505 名前:幼妻大鯨ちゃん[sage] 投稿日:2014/12/25(木) 19 39 31 ID XinNt83E [7/19] クリスマスプレゼントという事で、もう一つ投下します 幼妻大鯨ちゃんシリーズの続編です 今回は非エロな上にローカルなネタ多数で 気象状況などで現実にそぐわないものもあります また、この話はフィクションで、 実在の団体や地名、イベント等とは一切関係ございません NGワードは『幼妻大鯨ちゃん』でお願いします クリスマスは恋人と二人きりで過ごす日だと思われているが、 本当はイエス・キリストがこの世に生まれた日を祝う降臨祭、 ある意味でキリスト教徒による壮大な誕生会みたいなものである。 しかしそういった事とはあまり関係が無い日本人でも… いや、日本人だからこそ何かに託けてイベントをするのだろう。 バレンタインもハロウィンも、日本ではどれも商業的なものに利用されている節が見受けられる。 しかしクリスマス……厳密には12月25日は日本人にとって海外とは違う特別なことがあった。 それは大正天皇祭、つまり1926年12月25日に崩御した大正天皇を偲ぶ日であり、 戦前では昭和天皇の先帝祭として祝日として法に定められていた。 戦後は法改正により先帝祭が休日ではなくなったが、 12月25日が祝日であった戦前の間にクリスマスが日本に広まったと言われている。 当時どのような事になっていたのかは俺には知るよしも無いが、 恐らくは祝日であった為に大人達も働くことなく休む人達もいて、 その人達は家族で過ごしたに違いない。 それは海外におけるクリスマスの過ごし方である『家族一緒にいる』 という事を知ってか知らずかなぞっていた可能性もあるのかもしれない。 しかし今は昭和も終わり平成の時代になり大正天皇が先帝ではなくなった今は12月25日は普通の日であった。 もっとも、先帝祭での休日というものも戦後無くなってから久しいが。 しかしいくら今は普通の日であるとはいえ、クリスマスという特別な日である以上みんなそれを意識するものである。 「提督、そろそろ始まりますよ」 「わかってるさ大鯨」 クリスマスイブの日の朝、俺達はホールの入口から舞台を見ていた。 「パンパカパーン!みんなお待ちかねの艦隊のアイドルの那珂ちゃん登場だよー!」 「メリークリスマス!那珂ちゃんからのクリスマスプレゼントだよーっ!キャハァッ!」 愛宕の紹介で現れたのはトップアイドルであり、川内型軽巡洋艦三番艦那珂の艦娘、通称那珂ちゃんである。 ちなみに那珂ちゃんの本名も『なか』であり、 かつて名古屋美人の代表と言われた女義太夫の豊竹呂昇の本名から来ているらしい。 小さい頃は自分の名前にコンプレックスがあったらしいが、それが今では那珂の艦娘であるのは運命的なものを感じる。 彼女は元々人気アイドルだったのだが、艦娘になってからもアイドル活動を続けていた。 彼女がアイドル活動を続けられる理由は彼女が戦闘要員としてではなく主に輸送部隊の護衛が仕事であるからだろう。 那珂ちゃんの仕事は輸送任務で船団を守り、輸送先でコンサートを開くというのが基本的なスタイルである。 那珂ちゃんが輸送任務をする時は彼女の都合にあわせて指示されるのだが そうなっているのは那珂ちゃんが人を笑顔にする力を持っているからだろう。 那珂ちゃんが笑えばみんなが笑顔になる。歌を聴けばみんなが元気になれる。 それは彼女の天性のものであり、俺達には彼女程のそういった力を持っていなかった。 彼女のその力は深海棲艦に大切なものを奪われ希望をなくした人々にもう一度希望を与えてくれるものだった。 もちろん、深海棲艦関係なく独り身である者達も例外ではないだろう。 「お疲れ様です」 「責任者としての義務を果たしただけとはいえただコンサートを見ていただけさ。 それに今回と、今度の新春特別コンサートは那珂ちゃんの所属事務所が担当だから俺は最終確認したくらいさ」 大淀が鳥海の声真似をして俺を労った。 年末年始のイベント事は那珂ちゃん関係ばかりだから那珂ちゃんの事務所に任せている。 あそこは大きな会社だからタレントが所属しているだけではなく、 様々なイベントのプランニング等も行っているらしい。 おかげで俺達の負担は少なくて済むわけだが。 「帰ってきて早々ですが、本日の深海棲艦出没情報の報告を致します」 「わかった。大鯨、君はお昼を作っておいてくれ。今日は味噌焼きうどんを頼む」 「わかりました」 返事をした大鯨は調理場へ走り出した。彼女は秘書艦だが食事時の前に会議を開く場合はあまり出席させていない。 彼女の料理の腕はかなりのものであり、 よほどのことがなければ会議によって料理の腕を振るう機会を損なわせるわけにはいかない。 「報告します。各地の深海棲艦の数に変化はありません。南西諸島防衛線も……韓国の済州島付近も……」 「ふむ…………ご苦労だったな、ありがとう」 電が途中言葉が詰まり気味になりながらも報告した。 「今年は大丈夫…ですよね……?」 「わからんな。いつもと変わらないのなら、奴らもいないということだろうが」 不安になる電だが無理もない。去年のクリスマス、南西諸島防衛線―通称1-4地点―に潜水艦が現れた。 いつもはいないはずの潜水艦だったが、それだけで恐怖ということはない。 問題は1-4地点に潜水艦が現れたと同時に謎の勢力『霧の艦』が現れたことだ。 彼女達は艦娘と同じく旧日本海軍の艦船の力を持っていたが、 艦娘とは違い彼女達は艦船そのものであり、その力も当時のそれを遥かに凌駕するものだった。 俺は偶然にも霧の艦への対抗勢力と接触し、力を借りることによりなんとか撃退した。 霧の艦が姿を消してから1-4地点から潜水艦も消えた。 だが完全に撃退したわけではないため、再び現れる可能性もある。 だから俺達は深海棲艦の出没情報をしっかりと確認し、そこから そして済州島だが、あそこは深海棲艦が元々ほとんど出没せず、出没してもそれは弱いものであった。 ならば何故わざわざ調べるのかと思うだろう。 それは渾作戦で春雨に似た深海棲艦の存在を確認したからである。 渾作戦。それは太平洋戦争中の作戦の名前でもあった。 ちなみに漣にメールで送ったところ予想通り大根を大量に買ってきたがそんなことは今はどうでもいい。 今回の渾作戦では春雨に似た深海棲艦の姫である駆逐棲姫、通称悪雨(わるさめ)が強敵として立ちはだかった。 太平洋戦争の渾作戦において沈んだ艦は春雨だけであり、他に沈んだ艦は日本以外を含めても一隻もなかった。 何故深海棲艦が艦娘と似た姿で現れたのか、それはわからない。 しかしそれ以来俺の頭の中には一つの不安があった。 それは、深雪の姿をした深海棲艦が韓国の済州島近海にいずれ現れるのではないかという事だった。 深雪は今いる艦娘の中で唯一力の元となった艦が戦争を経験する事なく沈んでいた。 戦う為に産まれた存在が戦う事なくその生涯を終えてしまう。それは艦として無念であろう事は容易に想像できる。 だからいずれ済州島近海に駆逐艦深雪の無念が 深海棲艦の姫―さしずめ闇雪(やみゆき)といったところか―となるかもしれない。 現れてから慌てて対応するのではなく、今のうちにやるだけのことはやっておきたかった。 「何も変化ないのなら心配する必要ない…とは言えないが今夜の任務についてもそろそろ…」 「ああ、本日行われる名古屋港花火大会で我々が警護を任されたからな」 「そうだ。AL/MW作戦の折の本土襲撃以降観覧クルーズどころか花火大会そのものが中止となりかけたからな」 「だから私達が護衛をすることによって、皆さんの楽しみだった花火大会を開催にこぎつけたわけですね」 「気合い入ってるな電、その通りだ。伊良湖沖近海の警戒、観覧船の警護が我々の仕事だ。 メンバーの選出は前もって伝えておいた。選出された者達は午後の任務はなし、 十分な睡眠を取るなどして休養してくれ」 「了解!」 「大淀、明石。俺と大鯨も休息を取るから午後からの仕事は君達に任せた」 「ええ、お任せください!」 こうして俺達は夜に備えて休息を取った。ちなみに川内は夜に備えて朝からずっと寝ていたのは言うまでもない。 ヒューン…………ドン!ドドン!ドーン!ドドドドーン!! 鳴り響く爆発音。これは戦闘をしているのではなく、花火の音である。 「わー…きれい…」 「すごいや!」 「兄ちゃんたち、ありがとー!」 子供達が俺に対してお礼をする。 「俺は別に何も…」 「提督、貴方のお陰ですよ。貴方が花火大会の開催に尽力してくれたから、こうして今花火を見られるんですから」 「そうだよ。僕達だけじゃ花火大会の開催にこぎつけるなんて無理だったんだから。 いくら僕達艦娘に力があったって勝手な真似は出来ないからね」 「お姉ちゃん、このおにぎりおいしいよー」 「ふふっ、僕の作った桑名名物しぐれ肉巻きおにぎりで喜んでもらえて嬉しいよ」 「でもこっちのおっぱい大きいねーちゃんの料理の方がおいしー!」 「まあ……………………でも、私の料理をそんなに褒めてくれるなんて……」 大鯨の顔が赤いのは子供に変な事を言われた恥ずかしさからなのか、それとも料理を褒められた嬉しさからなのか。 「キミィ、あんまニヤニヤしてたらアカンよ」 特別な衣裳を着た龍驤が俺をからかう。龍驤は俺がニヤニヤした理由をどう考えたのだろうか。 子供達が大鯨の胸を大きいと無邪気に言った事か、もしくは俺が大鯨の赤らめた顔を見たことか。 「すまない、空母の君を夜の任務に出して」 「ええんや、ウチだってみんなと楽しくやってたかったんや。水上で任務やってる仲間にはちょっち悪いんやけどね。 それにもし何かあった時にはウチら船上組が子供達の盾にならなアカンしな。 ウチの仕事がこれしかできんでもみんなの笑顔に繋がるなら、それで十分や」 船での花火の観覧を決行させるのは少し骨が折れたが、こうして子供達を笑顔にする事も艦娘達の仕事だろう。 名古屋港に通じる伊良湖沖では他の艦娘達が深海棲艦の侵入を阻止しようと警戒中で、 船の周りでは深海棲艦が万が一襲来した時の為に主に駆逐艦達が警護、 船上では周りの艦娘が沈んでしまった時の最後の砦としての他に 子供達の相手や料理を振る舞う為などいざという時の為に主に空母艦娘が備えている。 伊良湖沖では現在深海棲艦との激戦が繰り広げられているが、深海棲艦の侵入を許す程ではない。 彼女達もみんなの笑顔の為に戦っているんだ。 彼女達伊良湖沖出撃組が子供達と合うことはないだろうが、帰ってきたら子供達が喜んでいた事を伝えよう。 「提督、次は特大花火ですよ。大鯨さんと一緒にちゃんと見てくださいね。あなたは大鯨さんの主人なのですから」 特別な衣裳を着た漣が俺に呼び掛ける。彼女は昔は俺の事をご主人様と呼んでいたが 俺が婚約したと聞いてからは色々と気を遣ってかご主人様とは呼ばなくなった。 漣の予告通り大きな花火が空に上がった。それを俺は愛する人と共に見ていたのだった。 花火大会も無事終わり俺達は鎮守府に戻った。 そして全ての仕事を終えた俺は大切な人と一緒にクリスマスの特別な行事を行い、 それを終えて俺達は眠りに…… 「寝るな。少し貴様に話がある」 つこうとしたら那智達に起こされたのだった。 「怒ってなんてないですよ…司令官と大鯨さんが初夜以降一度もそういった事をしない事に、弥生達も、大鯨さんも…」 「でもそれはあまり上手くいかなくて相手を傷付けてしまったと思い、 これ以上傷付けてしまう事が怖いからっていう事はみんなわかっているのです」 何でいきなりこんな事を言われるのか。気心の知れた間柄でなければ少しは怒っていたかもしれない。 「あの…少しは否定するそぶりくらい見せてください…私が大鯨ちゃんから話を聞いて、 こっちが勝手に不安になって、誰にも話さないでとは言われていないからとはいえみんなに相談しちゃったとはいえ…」 情報の出所が変な所でなくて良かった。内容に特に間違いはないから俺は否定しない。 「それが言いたい為だけにみんなを集めたわけじゃないんだろう」 「その通りだ。夫婦が納得した上での事なら口出しは無用と思っていたからな。 それよりも貴様に少し聞きたいことがある」 「何だ?」 「貴様は結婚してから休みを取った事はあったか?」 「休みか…………渾作戦以来一日も休んでなかったな」 「そうだ。渾作戦の期間中に休みがないのは仕方がない。だがそれ以降今日まで一日も休まなかったではないか」 「俺にも信じられんよ。まさか一日の休みもなしにここまで働けたなんてな」 「なら二人の時間は仕事が終わった夜の数少ない時間以外にあったか?」 「二人の時間…………プライベートな時間だとそれ以外なかったけど、 二人きりではないとはいえいつも仕事でほとんど一緒にいるし、昨日の花火大会はもとより、 カレーラーメンコンテストの特別審査員やった時も一緒だったな。 あとさっき駆逐艦のみんなに彼女と一緒にプレゼント配ったりしていた」 「こんな時にあなたは……」 「…………君に聞きたいことがある。君は何の為にここにいる?」 「お前達が呼び出した…って、そういう意味じゃないよな。 俺が提督をやっている理由、それは地上の愛と正義の為だ」 「真っ直ぐで迷いがないな。それでこそ君だよ。では大鯨と結婚した理由は何だ?」 「そりゃあ、俺が彼女の事がどうしようもなく好きで、ずっと一緒にいた……ッ……!」 最後まで言い切ろうとして途中である事に気付き、言葉が詰まる。 「ただ大鯨ちゃんと一緒にいたいだけなら結婚なんてする必要はありませんわよね。 あなたは大鯨と結婚したわけじゃないはずよ。あの子が提督と結婚したわけじゃないみたいに……」 そうだ。如月の言う通りだ。ただ一緒にいるだけなら結婚する必要なんてない。 ただ一緒にいるだけならば提督と艦娘大鯨という上下関係だけでも十分である。 俺は彼女と生涯を共にしたかった。俺が提督ではなく俺である時もずっと一緒にいたかった。 だから彼女と結婚したんじゃなかったのか。 だけど俺は結婚して以来休みがなかった事も重なって一度も夫らしいことをしてこられなかった。 むしろ結婚前の同棲状態だった時の方が彼女に色々と気を遣っていた分だけ彼女に何かをしてやれていた気がする。 そしてその時が今まででは一番二人にとって一番幸せだった時なのかもしれない。 結婚したのもこの幸せがずっと続いてほしいと思ったからだ。 だのに俺は仕事ばかりで、それすらも言い訳にして、でもそれでも彼女とは一緒にいられて………… 俺は愛する人がいつも傍にいてくれる事に甘えすぎていたのかもしれない。 「貴様はあまりにも働きすぎた。クリスマスくらいはゆっくりするんだ。 あと大鯨も最近は働き詰めだったから休ませないといけないな」 それは二人の時間を作れという事を遠回しに言っているのだろう。だが… 「仕事はどうするんだよ」 「私達に頼ってもいいのよ」 ビスマルクが自信満々に即答する。なんとなく頼りになりそうな気がしてくる。しるこサンドを食べながらでなければ。 「一日や二日くらいなら、私達だけでも何とかなるのです!」 「そうよ、私達に頼ってもいいんだからね!」 「幸せそうな貴方達を怨むほど私達を狭量と思わないでね!」 「…………わたったよ、みんなを信じる」 俺はどうするべきか迷いながらも彼女達の力を信じ、全てを任せた。 「フッ…君の健闘を祈るよ……」 そう言った那智の顔は普段目にすることがないような笑みを浮かべていた。 「当たって…当たってぇー!」 雪玉が飛んできたがそんなに速くなかったから難無く避けられた。 大鯨は潜水母艦だ。故に攻撃能力に乏しく、その艦娘である彼女にも戦闘のセンスは今のところ感じられない。 「負けるかっ!とぉありゃあっ!!」 俺はスナップを効かせた球を投げた。 「きゃーーっ!!」 脚に雪玉を受けた彼女はよろけて倒れた。 訓練された艦娘だけあって受け身こそ取れたものの雪の上に尻餅をつく形になってしまった 「ああっ!?だ、大丈夫か!?」 「うぅ……大丈夫…です……」 俺は急いで駆け寄り、手を引っ張って起こした。 雪のおかげで怪我はないようだ。それにしてもお尻の跡が大きい。 「すまない、少し強すぎたか…」 「いえ…でも凄い球でしたね」 「中学時代に野球をやっていたからな。試合にはあまり出られなかったけどね。 この近くの野球場でやった試合に出た思い出が懐かしい」 「この九力公園…って色々なものがあるんですね」 「いや、違う。『力』という字じゃない。ここは九華公園で『華』という字がカタカナのカになってるだけだ。 一部の看板で華の字がカタカナなのは小学生が書いたからなのかもしれん。そこら辺のことはわからないが…… この公園は元々桑名城跡に作られたんだ。桑名城は扇城という別名があり、中国には九華扇というものがある。 扇城という別名と、九華がくはな、『くわな』と読めることが名前の由来なんだ」 「物知りですね」 「それほどでもないさ。それより久しぶりに体を動かしたから少し疲れたよ。近くに休憩所があったはずだ」 俺は彼女の手を引っ張り、休憩所へ向かった。 「あぁ…久々に体を動かしてちょっと疲れました。でも楽しかったです。 桑名名物の安永餅も運動した後に食べると美味しいです…」 「そういえば最近君に出撃どころか演習もさせてなかったな」 俺達は中京圏の中心から少し離れた所にある公園に来ていた。 もう少し名古屋に近い所にテーマパークがあったが、混雑しているだろうと思い、そこは避けたのだ。 公園には雪が残っていたので雪合戦をしたが、思いのほか楽しかった。 「ここは名古屋に比べたら規模は小さいかもしれないけど 田舎で育った俺にとって小さい頃はこの街が一番身近な都会だったさ。 夏とか、クリスマスとか、そういった時くらいしか来ることが出来なかったけど、 でもだからこそワクワクしたんだろうな。純粋だった子供の頃…その沢山の日が懐かしいよ」 「そのどの一つにも私がいないのにですか?」 「ッ……」 俺は返された言葉に少し驚いた。彼女も歌の歌詞を引用して喋ったりすることもあるのだろうか。 「他にもあるよ。君と出会った日とか、君と一緒に暮らした日々とか……どれもこれも懐かしい沢山の日だよ! 去年のクリスマスや正月と同じくらい記憶に残っているよ」 「去年の…クリスマス……」 「あ……そうか、去年の年末年始の事は君にはあまり詳しく言ってなかったな」 「今まで私から聞こうとはしませんでしたからね。仕方ありませんよ」 「じゃあ、ざっとだけど説明するよ」 俺は彼女に霧の艦隊との激しい戦いの事を話した。 ブルネイ勤務だった俺がイオナという霧の艦の少女と出会い、彼女の力を借りて日本に戻り、 霧の艦隊との戦いで新たに加わった霧の艦達と、高い練度の艦娘達との混合艦隊を組み、 霧の艦隊の『今回の』リーダーのコンゴウを撃退し日本を救ったという事を説明した。 「凄かったのですね……」 「ああ……でも一部の霧の艦達も共に戦ってくれた。そんな彼女達もまたイオナと同様心強い味方だった。 新たな深海棲艦が現れ、戦いも激しくなろうとしている今、彼女達がいてくれたらと思うと……」 「きっと彼女達にまた会えますよ。いつかきっと出会う僕らを乗せて地球が回っていますから……なんてね。 あなたの熱い思いが彼女達の心に残っているのなら、 潜水母艦の艦娘である私は潜水艦のイオナさんに眼差しを」 「……君も色々と物知りなんだな」 「そこまでではありませんよ。小さい頃のクリスマスの夜にテレビでやっていた映画の主題歌で思い出深いだけですし」 「俺もだ。その年のクリスマスは特に思い出深い。当時見ていたロボットアニメのプラモデルのメッキ版を買い、 すぐ壊してしまって接着剤でくっつけた事とか、色々あったからよく覚えているよ。 小さかったあの頃は本当にクリスマスが楽しみだった……」 「そうですね、私もそうでした……」 俺は昔を懐かしみながら言った。彼女もきっと昔を懐かしんでいるのだろう。 「それにしても平和ですね。まるで深海棲艦の事なんて忘れちゃいそう…」 「そう………だな………………」 「ん?どうしたんですか?」 彼女か俺に問い掛ける。俺は今までの事を思い出していた。 雪合戦で天使のようにはしゃぐ彼女の笑顔、街行く人々の活気、子供達の希望に満ち溢れた声…… 提督として人々を護っていた立場から離れて、色々なものを見てきて気付いた事がたくさんあった。 「いや…地上がこんなに平和なのは電や如月達が頑張っているからってのもあるかもしれないって思ったんだ。 俺が提督として戦っている時、きっと人々の気持ちは今の俺達の気持ちと一緒なのかもしれないって。 今までの事を思い返して俺は人々の幸せの為にちゃんと戦えていた。 だけど……君には何もしてやれなかったって気付いたんだ。 今まで提督として護るべき人々の為に頑張っていたけど、 俺が一番大事にしなきゃならない人には何もしてやれなかったって……」 昨日那智達に言われた事が心の中に残っていた。 地上の人々と最愛の人、その二つの間で俺の心はほんの僅かだが揺れ動いていた。 「ふふっ、心配しないでください。大丈夫ですよ。 初めて結ばれたあの時、私は誓いました。ずっとあなたの傍にいます…ってね」 「いいのか…」 「いいんです、あなたの力と安らぎになりたいから…… あなたがあなたしか出来ないことをしているのならいくらでも耐えられますし、どれだけでも支えていられます」 「……ありがとう…………」 俺の心は決まった。地上の人々と最愛の人、両方の為に戦う事を決意した。 「あ、でもあんまりほったらかしにしていたら、私は如月ちゃんとらぶらぶになっちゃうかもしれませんよ」 「君の心が離れるのは辛いな……」 彼女と如月は根底に『誰かの役に立ちたい』という想いが強くあるからなのか凄く仲が良い。 微妙に冗談に聞こえなくもないから困るのは俺の性格ゆえか。 「何事も一人で抱え込んじゃうといつか壊れちゃいますよ。 だからもっと私やみんなを信じてください。大丈夫、あなたは一人じゃありませんから」 彼女が支えてくれるなら何でも出来る気がする。青臭いけど、俺はそう心から思った。 「わあ、とても綺麗ですね」 俺達はなばなの里に来ていた。ウインターイルミネーションで有名な場所である。 「クリスマスだから…でしょうか。とても幻想的に感じます」 「クリスマスだからだろうな。これが明日以降ともなればまた違った感じ方をするだろうな」 「そう考えるとクリスマスって何か不思議な力があるのかもしれませんね。子供達もみんな喜びますし」 「ああ、みんな喜んでいたな。プレゼントに頭を悩ませた甲斐があったよ」 「それもそうですけど、昨日の花火大会で私が作った料理を子供達に喜んで食べてもらって、 それがとても幸せそうで……私、本当に嬉しかったんです。 そしてあなたが昔言ってくれた言葉が本当だったんだって思ったんです」 『大鯨は将来きっと…料理で人を幸せに出来るだろうな』 俺はかつて彼女に言った言葉を思い出し、彼女が俺の何気ない言葉を覚えてくれていたことを喜んだ。 気恥ずかしさから本当の気持ちを少しオブラートに包んだものだったけど、 オブラートに包んだ言葉、そして包み隠さない本当の気持ち……いいお嫁さんになれる…… 彼女はそのどちらも出来る人だ。俺はいい提督といい夫のどちらにもなれるのかはわからない。 「だから私、自分が出来るもう一つの事が見つかった気がして……」 「もう一つの事?」 「私、お料理で人を幸せにしたいんです。小さなお店でもいいから、この戦いが終わったら…」 「鳳翔の店で今…じゃなくてもいいから働けばいいじゃないか」 俺は危ないフラグを強引に叩き壊した。 「彼女だって、人を幸せにしているんだ。二人が力を合わせれば更に多くの人を幸せに出来るだろうし、 もっと多くの人が力を合わせればもっともっと多くの人を幸せに出来るはずだ」 「………お気遣い感謝します……」 彼女も俺の言葉の割り込みの意図に気付いたようだ。 こうしてみると彼女は俺色に染められつつあるのかもしれない。いや、もしかしたら漣色かもしれないけど。 「ま、描くビジョンを現実にする魔法があるのかどうかはわからないけど、 明日を信じ続けていれば砂漠だって楽園に変わるはずだ」 「そう信じたいですね」 「ところでさっき言おうとしていた夢って一体何なんだ?」 「ナ・イ・ショ 内緒です」 「そうか……じゃあ君の夢が何なのか知りたければ頑張らなきゃいけないな」 「私も夢を叶えたいですからね。一緒に精一杯頑張りましょう!」 「ああ!」 彼女の夢は何となくだけどわかる気がする。 いつか深海棲艦がこの地上から消えてなくなり平和が戻ったら 彼女はみんなに手料理をふるってみんなを笑顔にし、そして彼女も笑顔になるだろう。 平和になった後の事を漠然としか考えていなかった俺だったが、 彼女の夢を知った俺はその夢の手助けをし、絶える事のない笑顔の彼女とずっと生きていきたいと思った。 ―終―
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前編はこちら 『クズ提督の矜持 後編』 1 夜の闇に消え入る白銀は見るだけでも寒々しく、今いる部屋が暖炉で暖められていてもその視界の印象までをも払拭させてはくれなかった。 窓越しに見える雪の軌跡は幾重にも重なって、最早吹雪だと形容できそうなほどに轟々と風が吹いている。 それは不気味に窓を揺らし、しかしその音が唯一の物音だった。 外の様子を見るのをやめ、カーテンを手元に引っ張る。窓の隠された執務室にはただ一人、提督だけが居残っていた。 いつもは仕事終わりまで一緒にいるはずの秘書加賀は、つい先ほど申し訳なさそうに部屋へ戻っていった。 後に残された仕事が机に詰まれた書類へのサインだけである以上、秘書の手を借りる必要がまったく無くなったのだ。 それでも一緒にいたいという彼女を制し、提督は早く寝るよう指示を出した。 今夜が冷えそうな事ぐらいは誰の目にも明らかで、風邪などひかれては明日の仕事に響くのだ。 天気を見るに、明日は鎮守府総出で雪かきに追われるはずだった。 肉体労働に気乗りしない提督はため息をつき、しかし万年筆の滑るスピードをどんどんと速めていく。 きちんと睡眠をとらないと、日ごろの運動不足によりこり固まった体には重たい作業になるはずだ。 起床時刻まであと何時間かを数えながら、彼は作業を続けていった。 もうすぐ全てが片付き終わるという頃合に、扉が二回ノックされた。今の時間には珍しいそれに、だが彼はすぐさま入れと言う。 もはやそのスピードは反射の域に達していて、誰が訪ねてきたのかとか、そういった疑問は声を出した後から沸いてきた。 扉が開かれると、そこにいたのは帰ったはずの加賀だった。小脇には段ボール箱が抱えられ、寒そうに肩をすぼませている。 提督はそれを見、すぐさま駆け寄って部屋に導きいれた。 「どうしたんだ?」 差し出されたダンボールを受け取り、しかしとりあえずそれは机のすぐ脇に置いておく。 加賀の衣服は随分冷たくなっており、指の先は真っ赤だった。背中を押して暖炉の火のすぐ側まで誘導する。 「提督宛の荷物よ。昼に届くはずたったものが悪天候でここまでずれ込んだらしいわ。 廊下に出ていたのがちょうど私しかいなかったので、受け取っておきました」 「ご苦労様。でも別に玄関に置いておいてもらってもよかったのに。わざわざこんな……」 寝具から毛布を一枚引っ張り出し、加賀の背中にかけてやる。彼女は蓑虫のように、それに丸まり包まった。 頭を撫で、提督はダンボールの元に向かっていった。差出人の住所欄には実家の所在が書かれており、 封を開けると一通の手紙と、何やらアルバムのような大型本が入っていた。 「誰から?」 「実家からの、いらないおせっかいだな」 背中からの声に答えながら手紙を開くと、そこには見知った癖字の羅列が紙一杯に散乱していた。 元気にしているか、仕事は順調か。前半の内容は非常にありがたく微笑ましい気持ちにもなれるのだが、 段々と文面には余計で無用な事が散見され始める。 最後まで読み終えたそれを綺麗に畳み、机の上へ放っておく。提督は続けて視線を箱の中の本へと向けた。 底にずっぽりと埋まったそれはかなり重そうであったが、何とか指を引っ掛けて持ち上げてやる。 本とダンボールとの隙間は絶無であったために、無駄に難儀をしてしまったのだった。 救出した本を一旦膝の上において、それからゆっくりと表紙を捲った。 紙質はこれでもかというほどに良く、厚くてつるつるとしている。 ページは送られど送られど、どこにもでかでかと女の晴れ着姿の写真があった。 「随分可愛らしい女の子たちね」 いつの間にやら後ろに立っていた加賀が、怪訝そうな目つきでそう言った。 冷え切った声音の恐ろしさに思わず身震いするが、しかしこれは別段やましいものでもない。 「お見合いの写真だよ」 振り返りそう言った提督は、次の瞬間肩をがっしりとつかまれていた。顔をあげると加賀の必死な形相が、視界一杯に広がる。 そこの段になって、ようやく言葉が足りていないことに彼は気が付いたのだった。 慌てて口を開いたが、それより先に張り詰められた声が部屋に響いた。 「お見合い!? あなた結婚するの!?」 捨て去られる直前の子犬のような表情に、提督は一瞬呆然としてしまった。 彼女の瞳が潤みだすとようやく我に帰る事が出来、不謹慎ながらそのあまりの必死さに噴出してしまうのだった。 態度に文句を重ねようとした加賀を遮り、すぐに補足を入れてやる。 「実家が勝手に送りつけるのさ。俺にそんな願望あるわけ無いだろ」 一瞬の間の後、言葉の処理が追いつくや口からはほうと息が吐かれた。 力が抜けたのかぺたんと地面に腰が落とされ、提督はそんな彼女の頭を丁寧に撫でる。 恨めしそうな視線を受け止めながら、提督は加賀の発露した依存性に内心酷く驚いていた。 自身のしている普段の行動は、決して褒められたものではないという自覚はあったが、 それでもこうしてその影響を見せ付けられると複雑な思いを抱いてしまう。 彼女の持つ独占欲を自分勝手に押さえつけ、その結果の変化であるのだから当然受け入れる覚悟はあった。 もとより、この鎮守府から離れるつもりなど一片もないのだから、何か気を新たにする必要も無い。 「こういう写真は良いように見える角度から撮ってあるんだ」 視線を合わせ、微笑み言う。首を傾げる加賀を他所に、提督は言葉を続けた。 「俺には、加賀の方が可愛く思える」 余りにもな台詞を吐いたものだと、言った後から後悔の念が沸いてくる。 しかし、相手の顔を見れば、そんな羞恥も消え去るのであった。 加賀はそれを聞いた途端、茹蛸のように顔を赤くし視線を背けていた。 「馬鹿」 小声呟かれる言葉にどうしようもない愛おしさを感じる。 それが成就し得ないものだと分かっていても、感情は流れを留めてくれない。 それを意識しないようにするのには慣れていて、それは自衛のために必要なことだった。 引いたボーダーを守るためには、好意から目を背けるしかなかったのだ。 そしてそれを達成する具体的な方法も、いままでの経験から発見できていた。 提督は加賀の背中に腕を回した。抱き寄せ体を密着させると、彼女の匂いがにわかに香る。 嗅ぎなれた、しかし飽きることのないいい匂いであった。 「今晩は、ここに泊まっていくかい?」 加賀がわざわざ寒い思いをしてここに戻ってきた、その理由を知った上での発言だった。 つまり質問ではなく願望の発露なのであって、しかも答えを知った上での卑怯な問いかけなのだ。 果たして、彼女はこくんと頷き上気した顔を上げた。潤んだ瞳が瞼に隠れ、提督はそっと唇を重ねる。 恋愛感情を隠すのにセックスを用いるという背反した行動は、しかし提督には効果があった。 我慢を押し通すほど強い意思が保てないために、こうして発散をする。 屑なことをしていると自己嫌悪に苛まれ、しかしそういった罪悪感さえ快楽なのだった。 お互いに慣れた深いキスは、そうして重ねてきた罪を証明していた。 毛布が肩口からずり落ちて、床にくしゃっとまとまった。提督はそれを広げると、その上に加賀を押し倒す。 寝具に移動するのかと思っていた彼女は、目を白黒させながら覆いかぶさる提督に抗議の声を上げた。 「せ、せめてベッドに……。お願い」 「暖炉の近くの方が暖かい」 「そうじゃなくて……恥ずかしいわよ」 寝巻き浴衣の襟を広げようとする手を、加賀は必死に押さえ込む。 その抵抗は彼にとってはむしろ逆効果で、ますます興奮を促すのであった。 彼は顔を寄せたかと思うと、加賀の耳にキスをした。突然の刺激に悲鳴が上がり、しかし追撃の手は緩めない。 丹念に舐め上げ嬲っていくとますます声は大きくなり、ついに彼女は片方の手を口へとあてがったのだった。 すかさず寝巻きははだけられた。下着は無く彼女の白い滑らかな肌は、暖炉の火と蛍光灯の明かりの元に晒される。 柔らかな乳房はそれ自身の重さで平たく潰れ、その様子は酷く濃艶だった。加賀は顔を背け、慌てて腕で胸を隠す。 ショーツは穿かれていたので、提督はそれにも手をかけた。 全裸にさせてしまおうという魂胆はすかさず彼女にも看破され、思った以上の抵抗がなされた。 しかし片腕での反撃がそう長く持つわけは無く、しばらくのもつれ合いの末ついに決着はついたのだった。 生まれたままの姿にさせ、提督はそれを俯瞰して見たくて上体を起こした。 加賀は体を横にくねらせながら、右手で顔を、左手で胸から陰部までを隠していた。 その扇情的な姿は加虐心を煽り、思わず口元には笑みが浮かんでしまう。 まずは、顔の隠された手を退かすことにした。手首を掴み引っ張って、顔のすぐ横に押さえつける。 彼女を見ると頬は赤く瞳は潤み、しかし目つきは怒りのそれであった。 凄まれるように睨まれて、申し訳ない気持ちが沸きもするが欠片も引く気にはならなかった。 体を隠す腕も退かしてしまおうと、提督は自身のポジションを少し下へとずらした。 手首を掴み持ち上げようとするが、これでもかと力が入っており簡単には動かない。 まるで石になったかのように、突っ張った腕は強固だった。 俄然強い意志を持った瞳を見、彼は作戦を変えることにした。拘束していた方の腕を解き、馬乗りになったまま見下ろす。 優越感が覗き見える加賀の表情は、しかし次の言葉を聞いた瞬間に崩された。 「ここでやめるか?」 それは予想だにしていなかった言葉だった。彼女の口からは息が漏れ、目は驚きに見開かれる。 提督は腰を上げ、愛おしい重量は消え去った。 「な、なんで……」 「俺だって、嫌がることはしたくない。抵抗しているのを無理やりだなんて気が進まないよ」 張り付いた笑顔から、その言葉が真っ赤な嘘であることは容易に分かった。 しかし提督はついに立ち上がると、一歩二歩と後ろに下がってしまう。 彼の体温の残滓はひどく切なく、加賀の心中には多大な不安感をもたらした。 「待って!」 我慢できるわけもなく、叫ぶように彼女は言った。提督は何も言わずにただ眺めているだけだ。 それは指示なく、自分から全てやれという命令だった。 加賀はおずおずと腕をどかした。寝そべった彼女の裸体は、ついに全てが露出されたのである。 羞恥に堪らず目を伏せて、しかしいつまで経っても期待した体温は感じられない。 提督は依然として、その綺麗な肌を立って眺めるだけであった。 沸騰した頭では何が駄目なのか、彼が何を期待しているのかも分からず、ただ不安だけが増大していく。 見下ろされるだけの寂しさは、ついに彼女の限界を超えて涙を競り上がらせる。 「お願い……来て」 涙声による懇願に思わず足が動きそうになったのを、提督は何とか押さえ込んだ。 本当はこの先まで一人でと思っていたが、流石にそこまで察せられるわけはなかったようだ。 彼は加賀に近づき、すぐ横にしゃがみこんだ。 「自慰をするんだ」 潤んだ瞳が、ゆっくりと提督の顔に向いた。頭を撫で口調は優しく、しかし命令は鬼畜なものである。 彼女は首を横に振るが、当然それは受け入れられない。 「なら、終わりにするか?」 加賀の喉が動いたのが、いやに艶美だと感じられた。許してと口から漏れ出した声は、完全に無視をされる。 彼女はぎゅっと目をつぶり、目尻に溜まっていた涙が頬を伝い落ちていった。 葛藤に決着がついたのか、彼女は一回深く呼吸をすると、意を決して陰部に自身の指を持っていく。 陰唇がなぞられると、肩がぴくんと跳ね上がった。 声が上がらないよう必死に口を噤む表情は、それはそれで官能的ではあったのだが、提督はもっと淫らによがる彼女を見たかった。 普段取り乱さない彼女の痴態は、恐ろしく魅力的だろうと思ったのである。 何とか命令という形は取らず自発的にそうなるようにさせたいと、そう考えを廻らすとある一つのアイデアが浮かび出た。 それは特に何か大掛かりなことをするわけではなかった。 ただたまに彼女が我慢できず小さく嬌声を漏らすと、そのたびそれを褒めるかのように口付けをしてやるだけであった。 或いは、胸の膨らみをなぞってやったり、そういった焦らされている状態をほんの少しだけ緩和してやる。 四、五回もそういう刺激を与えてやれば、効果は目に見える形で現れ始める。 知らず知らずのうちに彼女はより大きく声を上げ始め、快楽を貪ることへの抵抗がみるみる減っていったようだった。 「随分大胆になったな」 そう言って羞恥を煽ることも忘れない。言わないでと喘ぎ声交じりに言葉が漏れ出して、その表情たるや艶麗の極みであった。 言動と行動は最早一致せず、悔しさの溢れる顔はしかし、多大な興奮の元蕩けきっていた。 限界は意外なほど早く訪れた。駄目駄目と連呼しつつも指は激しさを増していって、そんな状態で我慢などできるわけもなかった。 加賀は一瞬体を強張らせたかと思うと、次の瞬間にはびくびくと小刻みに体を震わした。 大きな声が部屋に響く。外の暴風の騒音がなければ、廊下にまで鳴り渡ったのかもしれないほどの声量だった。 しかし肩で息をする彼女に、もうそんなことを意識する余裕はなかったのだ。 「提督ぅ……」 弛緩した顔がゆったりと彼の方を向く。あられもない甘えたような声音は、初めて聞いたものであった。 思わず背筋がぞくり鳥肌立つのが、いやに生々しく感じられた。 提督は無遠慮に彼女に覆いかぶさった。ようやく得られた、望んでいた温かみ。 その歓喜を感じつつ、しかしだからこそ満足はできなかった。更なる快楽を、深い悦を求めて彼女の肉壷は愛液を滴らせた。 ・ ・ 一体何回まぐわったのか。最早記憶には無かった。 翌日寝具の中で目覚めた提督は、自分がぽつねんと一人で横になっていることに気が付いた。 ベッドの右手側、やけに開いたスペースにはまだ体温の残滓があり、そしてそこには彼女の匂いが、かすかにまだ残っている気もした。 だが執務室に人影は無く、随分と物寂しい印象を抱く。 実はこの部屋に艦娘を泊めるのは、鎮守府内の規定で禁止させられていた。真面目な彼女のことである。 恐らくはそれが露見しないうちに、一人で部屋に帰っていったということらしかった。 時計を見ると、起床時刻まではまだ大分余裕がある。 しかし二度寝をしようと瞼を閉じても、温もりへの侘しさが睡眠を猛烈に邪魔したのであった。 彼はひたすら彼女の残り香を嗅ぎつつ、何故か溢れだしてくる涙を枕にこすり付けていた。 2 朝食時、提督は今日の任務について艦娘全員に指令をだした。 即ち、遠征を含む全ての出撃の中止及び鎮守府を総動員しての雪かきのことについてである。 記録的な大雪によって、普段見えている事が当然と思われていたアスファルトは全て白に覆われていた。 提督は窓越しにしかそれを確認しなかったが、恐らくは屋根にもずっしりと積もったはずである。 雪なんか滅多に降らないこの地方では、その光景はかなり異様なものであった。 慣れない作業になるから気を付けるようにと、最後忠告する前に既に駆逐艦のほとんどは姦しい歓声を上げていた。 まるで小学校の体育が例外的に雪合戦になったかのような、提督にはそんな光景に思えたのだ。 彼女達は普段より大分早く皿を片付けると、駆け足で外に飛び出していった。 駆逐艦他、幼い艦娘は地面を、はしゃぐこともない大人達は屋根を担当した。 提督はと言うと一番危なっかしい場所あたり、具体的には港の岸壁を見守りながら、時折手開きになると付近を除雪していた。 それは一見楽な仕事にも思えるが、実際はかなり神経を使うものであった。 かき集められた雪が排水溝を詰まらせると、もう後は海に捨てるしかないのである。 大はしゃぎな彼女達に注意をしても馬耳東風なのは当然であるから、 艦娘が海に近づくたび落っこちやしないかと心拍を上げ続ける羽目になるのだ。 後半になってくると提督は実質的に、最後集められた雪を海に投入する係りになったのであった。 天気に恵まれ、雪質は柔らかかった。作業は滞りなく進み、明四ツ過ぎには全体の六割ほどの雪を掻きだし終えていた。 そのあたりになってくると、提督は眩暈にも似た気持ち悪さを腹の底に感じるようになっていた。 月月火水木金金、休みなく働いていた彼にとってこの肉体労働はたしかに酷であったのだ。 デスクワークを飽きるほどに続けた後の外仕事というギャップは、何やら頭に負担を強いるらしく、 それでも駆逐艦に危険を冒させるわけにはいかないために頭痛は我慢するしかない。 作業のほとんどが終わった頃合、執務室の暖炉を恋しく思う提督に突如声がかかった。 「提督! こっち向いて!」 おそらくそれは雷のものであった。声のした方向には背中を向けて、彼は目下の海に雪を廃棄している。 声音にはいたずら心が多分に入っていた訳であったが、しかしそういった危機感が完全に消失するほど、 今の提督は何も考える事ができないでいた。 ゆったり振り返ると、そこには満面の笑みを浮かべた第六駆逐隊が、雪玉を抱きながら横一列に並んでいる。 彼女らの腕が振りあがり雪礫が一直線に向かってくる段になって、ようやく提督は状況と、彼女らのしたい事が理解できたのであった。 投げられた雪は右肩と腹の他、顔面にも見事にヒットした。 覆われた視界にバランスが思った以上に崩れ、彼は思わず背から転倒してしまう。 雪の隙間から、青い空がくるりと回転し、気がつくと背中に衝撃があったのだった。 雪を投げた張本人達から可愛く悲鳴が上がるのを、提督は苦笑しながら聞いていた。 しかしその悲鳴は決してオーバーなものではなかったのだと、数瞬後には身に染みて理解することになる。 背中に衝撃を感じた後、何故か更に浮遊感があった。景色が空どころか、更に反転して海さえ視界に入ってしまう。 自身が真っ逆さまになっているのだと本能的に気が付けはしたが、しかしその理由まで瞬時には分からなかった。 頭上がキンと冷たくなり、そこでようやく自身がアスファルトの淵から海へ転落しようとしていることに彼は気が付いたのだった。 瞬時に全身が鳥肌立ち、痛いほどの冷たさが容赦なく彼を包み込んだ。 息を止め目を瞑り、着水の柔らかさの中遮二無二もがき続ける。最早彼にできる事はそれだけであったのだ。 ・ ・ 救出された直後のことを、提督はよく覚えていなかった。 海に落ちた次の瞬間には自分は熱い風呂に浸かっていて、やたらに震える体を何とか温めているという、そんな場面に繋がるのだ。 きっとずぶ濡れのまま脱衣所まで歩いてきたはずなのだが、そういった記憶は皆無だった。 頭痛は更に酷くなっていた。気持ち悪さも相変わらずだった。そこに止まらぬ震えが加わって、体の具合は最悪である。 しかし思い起こせばここ最近、体の調子がいい日というのを体感した覚えはない。 倦怠感や疲労感との付き合いが始まったのは、もうかなり昔のことだった。 口から零れだす咳はやたらに喉を痛めつけ、虚弱な体質を心の底から恨めしく思う。 震えが少しはましになると、提督は重い腰を何とか上げた。手早く体を拭いた後、脱衣所に戻り用意された服を着る。 そこにはいつもの軍服ではなく寝巻きが置かれてあって、しかも温かな半纏まで鎮座していた。 全て着込むと湯の熱が、体に閉じ込められるようでもある。 ふらつく足で執務室まで戻り何とか扉を開けてみると、そこには予想通りな、しかしそれでも気まずい空気が重く漂っていた。 まず目に飛び込んできたのは、床に正座させられた第六駆逐隊の背中であった。 肩の震えから全員が泣いているのであろうことは容易に想像することができて、とくに暁は最早痙攣の域である。 ごめんなさいと連呼される、その空虚な響きは何とも痛ましく、聞いてられない悲痛さであった。 そして正面、いつになく険しい表情の加賀は鬼の風格を醸し出している。 一睨みされただけで、何も悪いことをしていなくとも即刻謝る気になるほどの、そんな凄みが発せられていた。 「戻ったよ」 提督はなんとかそう声を出す。一斉に振り返る駆逐隊の面々、その表情はメシアを見るそれであった。 彼は近づきひとりひとりの頭を撫でようとして、しかし鋭い底冷えする声音がそれをぴたりと制した。 「待ってください。まだ説教が終わっていません」 一瞬で絶望の表情へと切り替わった彼女らに、思わず笑みも浮かんでしまう。 提督は仲裁の役目を買って出て、加賀を嗜めることにした。 「もういいよ。充分反省しているだろう。これ以上は流石に可哀想だ」 「下手すればあなたを殺していたのかもしれません。反省だとか、そういった甘さで許される話ではないわ」 「許してやってくれ。頼むよ。ほら、一応俺は生きているんだから」 よしよしと四人の頭を撫でてやれば、彼女はばつの悪そうな顔をしてぎゅっと口を噤むのだった。 しばらくの沈黙の後、加賀は失礼しますと小声で言って、執務室をあとにした。 彼女が消え去った途端、体は四人の体温に一斉に纏われた。 口々にごめんなさいという言葉が発せられて、次第にそれは嗚咽の泣き声に変わっていく。 鉛のような頭を何とか持ち上げ、彼はずっとその場に立っていた。 3 風邪をひいたらしかった。 それは予想の範疇の出来事であったのだが、しかし医師の所見によるとそれ自体が問題なのではないらしい。 最初その言葉の意味を提督は理解できていなかったのだが、 時が経つにつれて段々と、その含みの部分が否応なく自覚されるのであった。 一日寝込むと具合は少しは良くなって、熱も微熱といえるぐらいには下がったために、提督は仕事に復帰した。 加賀はまだ寝ているよう進言したのだが、それを聞き入れてやるのは不可能だった。 というのも、たった一日空けただけで、鎮守府全体の仕事のルーティンに歪が生じていたのである。 提督という職が統括という任務を負っている以上、それは仕方のないことであった。 何をするにしても、提督が不在なのではどうしようもなくなってしまうのだ。 万全とは言えない体調で、しかしそれはここ最近の普通であったから辛さを我慢することにも慣れていた。 ふらふらになり倒れてしまうというほど重篤な症状はなかったし、仕事の内容も肉体との戦いと言うよりは精神的な、 自分との戦いであったから何とかこなす事ができたのだ。微熱と倦怠感に纏われ続けながら、提督は毎日粛々と仕事を続けていった。 風邪の発症から一ヶ月が経っても、まったく微塵もそれが治る気配は感じられなかった。 別段それくらいどうでもいいと思っていた提督を他所に、 加賀はかなり心配をしてその感情は乾いた咳の咽る音が聞こえるたびにどんどんと増大していった。 いつか倒れてしまうのではないかという彼女の不安は、彼を側で見続けた者なら誰しも思うことであった。 そしてよりにもよって、その不安は記念すべき西方海域完全攻略の日に的中することになる。 ・ ・ 医務室の天井、蛍光灯の明かりを見ながら、提督は医師から状況の説明を受けていた。 なんでも、そもそも朝から青白い顔が目立っていたと、加賀は言っていたらしかったのだ。 帰投した第一艦隊はその戦果を嬉々として報告しようと執務室の扉を開け、そこで机に突っ伏していた提督を発見した。 鎮守府は全体が騒然となり、艦娘が騒がないようにするのにはだいぶ労をとったという。 医務室に担ぎ込まれたのは二時間前。所見は過労。結核や白血病の疑いは低い。 治す方法はここを辞めることだと、医師は淡々と話していた。 とりあえず動けるようになるまでは、ずっと横になっていた。 これからのことを考えようとしても、頭には靄がかかっていて中々思考は捗らない。 思い浮かんだ考えは、全て頭頂部からだばだばと漏れ出しているかのようでもある。 結局立ち上がることができるようになるまでに、靄が晴れることは無かった。 重い体を引きずり、執務室へ向かう。目の前に立ちはだかったどうしようもない現実は、だが自身で予見していたものでもあったのだ。 今の生活が長く続くわけはなく、後に残されたのは弱った身体と、断ち切らなければならない絆の数々であった。 階段を昇り、上がった息を整えながらよたよた廊下を進んでゆく。 ぼやけた視界には赤い絨毯と白の壁しか映っておらず、 もしかしたらこのまま永遠に執務室にはたどり着けないのではないかと思えるほど、その光景は長大なものであった。 ようやくある程度まで歩き終えると、執務室の前、セーラー服の艦娘が壁に背を付け立っているのが目に入った。 手元には大きな茶封筒が、とても大事そうに抱えられている。 提督はすぐ近くにまで寄ってからその艦娘、雷に声を掛けた。 「俺を待ってたのか?」 雷はその言葉を聞くと、顔をゆったりと彼の方へ向けた。その表情は悲壮に歪み、目には涙が湛えられている。 彼女は手元の茶封筒を差し出した。 「さっきここに届いた書類よ。加賀さんの目に付く前に渡さなきゃと思ったの」 受け取り、意外な重みを腕に感じる。既に封は切られてあって、恐らくは雷が先に目を通したのであろう。 それは彼女がこの書類から嫌な予感を感じたということであって、そしてそれは提督とて同じである。 中の書類に一通り目を通す。予感が的中していることは、雷の表情から確定的だった。 それでも俄かには信じられない、信じたくないという気持ちが先行していたために、 書いてある内容は非常にショッキングなものであったのだ。 「随分と、まぁ……」 提督は、ようやくそう一言声を発する事ができた。書面に書いてあったその人事は、客観視するならば非常に都合が良い。 感情のこと、この鎮守府内の関係を除けばすばらしい案でもある。 重病の為空いてしまった海軍兵学校の校長職に、この鎮守府の提督が補される。つまりはそういうことであった。 それは西方海域攻略の労をねぎらうものであり、そして過労という病気を治すためのものでもある。 逆らうには健康が余りに足りていないということを、彼は自覚していた。 ここに残り、今後もいつも通りに仕事がこなせるという確たるものを見せなければ、この人事は取り下げられないであろう。 提督職の終端が、今ついに訪れたのであった。 「……すまない」 不甲斐なさに唇を噛み、拳を握りしめながら、提督はそう口から漏らした。 雷は彼の肩に手を置くと、そのままゆったり体重を掛ける。 そうして膝が折れ、背の低くなった提督の頭は彼女の胸へと導かれたのであった。 髪が細い指に梳かれ、何も言わずにただいつも通りに抱きしめてくれる。 提督は腹の内から漏れ出そうとする嗚咽を、我慢する事ができなかった。 シンとした廊下にそれは小さく響き、そしていつしか泣き声は二つに増えていたのである。 互いの体温を感じながら感情は声と涙になり、そううしてそれは途切れることなくいつまでも漏れ出していた。 4 人事のことについては、天龍と不知火には心持軽く話す事ができた。 それはこの二人と体を重ねたのは、恋愛的感情の発露からではなかったからだ。 あらゆる欲求の不満を解消するために、その捌け口として夜伽という手段を選んだだけであったので、ショックも少なかったのである。 それでも告白したときには、二人は悲しんでくれたのであった。 それを嬉しく思う反面罪悪感も生じる訳だが、それさえ彼女達は慰めてくれた。 いつか訪れるはずの事が今来てしまっただけだと、そう言って納得を得るしかない。 割り切るという痛みは、しかし受け入れ耐え忍ぶしかないものだった。 問題は、加賀であった。依存性、そして恋愛感情のことから、もっとも気を遣わなければならないということは理解していた。 この話をどう切り出すべきか、迷いに迷い頭を捻り、しかし何時まで経っても解答は得られない。 提督は自身のしてきた罪の重さを、再認識する羽目になっていた。 結局機会を待ちに待ち、ようやく切り出したのは鎮守府を去る一週間前であった。 その日の夕方、時間がないために後は正直にただ言うしかないと、そういう諦観を持って彼は加賀を執務室に呼び出したのであった。 窓から差し込む夕日の光を受け、彼女はただ目の前に突っ立ている。 彼女が出頭してからというもの沈黙は長く続き、二人とも何も言葉を発せていない。 痛いほどの静寂が、掌に感じる汗の滑りが、物憂げな表情が、全てが提督には辛く思えた。 「少し、大事な話がある」 深呼吸の後、彼はぽつり何とかそう言う事ができた。加賀は細められた目を逸らし、掌をぎゅっと握りこむ。 彼女とて、およそ話の内容に察しはついていた。だが自身の矜持が、それを容認することを拒むのだ。 もしかしたらという期待を捨てることはできず、勝手な妄想は確固たる意思を持って、彼女の脳内にへばりついている。 「実は、ここを辞することになった」 とうとうそれを口に出すと、不気味な静寂が再び部屋を支配する。 一体どれほどそのままであったのか、提督にはもう分からなかった。もう彼にできる事は待つ事だけであったのだ。 そしてたとえ何と言われようとも、結末はたった一つである。これほど悲しいこともないと、自嘲気味に思い続けていた。 一方、ただじっと同じ体勢で立ち続ける加賀は、様々な思考の果てについに口を開く決心をした。 それが受け入れられる可能性がゼロであったとしても、それでも自身の感情に背くことはできなかった。 そういった覚悟の上、静かにその言葉を言う。 「許しません」 聞くや、提督の目は見開かれた。彼女はそれを眺め、畳み込むように続けた。 「仕事は全部私がします。だからあなたはずっとここにいて。ここを去るなんて、絶対許しません」 何か言うたび、加賀の瞳は激情の色を濃くしていった。心中の思いが轟々と煮えているのが、外見からでも分かってしまう。 それは怒りというには余りに悲痛な代物であった。 「悪いが、これは既に決定してしまったことだ。今更どうしようもない」 提督はあえて非情に言い放つ。言いたくない台詞ではあったが、これは無理にでも納得してもらうしかないのだ。 だがそれは、燻り燃えていた感情に油を注ぐこととなってしまった。 加賀は一瞬、大仰に息を吸ったかと思うと怒りのままにそれを叫んだ。 「ふざけないで!」 突然の怒号は窓ガラスをびりびりと震わせた。 加賀は顔を赤くし、口をわなわなと震わせながら提督を睨んでいる。 提督は心拍が上がったことを悟られないように、まったく動じず座っていた。 「今更あなたと別れるなんて、私無理だわ!お願い、ここにいて。なんでもするからここにいてください」 「お前だって、いつかはこういう日が来ることくらい知っていただろう。俺のしてきた勝手は謝る。だが、命令だ。納得しろ」 「嫌です!」 加賀の瞳から、涙が零れ落ちた。一滴が頬を伝うと、堰を切ったかのようにそれは次々あふれ出す。 彼女は嗚咽を堪えながら、何回も嫌ですと繰り返していた。 「提督は、私のことを忘れてしまいます」 喘ぎ喘ぎ、手で目元を隠しながら彼女はそう口にした。 提督はその意味が、加賀が一体何を恐れているのか、その本心が掴めないでいたのだ。 あるいはそれを知られていたからこそ、より一層彼女を傷つけていたのかもしれない。 「そんなことはない」 「いいえ! 絶対忘れるわ。そしていつかは別の人と結ばれて、私を記憶の隅に追いやって、勝手に幸せに暮らします」 「俺は結婚する気はないし、もう二度と女は抱かない。君達が最後だ」 「嘘よ!」 これが依存性の発露だと気が付いたのは、頭に上った熱が引いてからであった。 喚く彼女を窘めたくて、しかし本心を吐露してもまったく信じてはくれない。それは酷く口惜しく物悲しいことであった。 「……証明して」 泣き声が収まってから、彼女は静かに言った。 「他の人とは結ばれないというなら、証明して。でないと私、許すことなんてできないわ」 沈黙。提督は必死に頭を絞ったが、それに答える事はできなかった。 しばらく経つと加賀は踵を返し、嗚咽を漏らしながら歩き出してしまう。 それを引き止める事はできず、ただその背中を見続けていることしか彼にはできなかった。 ・ ・ 愛の証明について。彼は机の前に座ったまま、ずっそれを考えていた。 彼女が納得を得られないまま逃げるようにここを去るのだけは、矜持が許しはしなかった。 そのために払える犠牲があるなら何だって甘んじて受け入れる覚悟を、彼は確かに持っている。 しかしその具体的方法は、一向に頭に浮かんでくれない。 日が沈み部屋は暗くなり、そういった環境が少しはいい方向に働きかけたのか、提督の頭にはある一つの小説が思い起こされた。 ずっと昔に読んだことのあるその掌編には、今の彼らと同じく破滅の途上にある二人の関係の、その終端が描かれていた。 そしてそこに至る前に行われた、証明をする方法の克明な描写が、提督の頭には思い出されていたのだ。 いや、それはその小説に描かれる前より、ずっと昔から人々がやってきた事なのだ。 一種の残虐性の上に立つその方法は、しかし確かに確実だった。 迷っている時間は無かった。他に方法を発見できる気もしなかった。提督は意を決すと暗闇の部屋の中、物置に向かって歩き出す。 擾々とした物置の隅、目的のものは小さく、しかし存在感を持って鎮座していた。黒光りする鞘に侘しい装飾のついた柄。 一振りの軍刀はここに着任した際に、その記念に受領したものである。 提督はそれを引っ張り出し、しかしそれだけでは余りに準備不足であったから、更に必要なものを捜していく。 誰にも理解されないことなのかもしれなかった。しかしそれでもいいと、彼は本心から思っていた。 それは彼にとってどうしてもやらなくてはならない事であるし、最早自身の満足を得るには、罪を罰する痛みしかなかったのだ。 馴染みの机の上には、物騒な代物が並んでいた。 軍刀、小刀。アルコールランプとマッチ。清潔な布巾がざっと十枚。医務室に忍び込んで、こっそりと盗み出した止血剤。 ぼんやりと熱を持った頭でゆっくりと深呼吸すると、ただ目的を達成するという意思だけが前面に現れたようだった。 提督は布巾の束から一枚を口に咥えると、軍刀の柄をゆっくりと握りこむ。 鞘から刀身を抜き放ち、火の着いたアルコールランプにそれをかざす。熱消毒の終わった刃は、月光を青白く反射していた。 二、三枚の布巾を机の上に置き、提督は人差し指から小指までを更にその上に置いた。 親指は机を挟み込むように下にあって、ぎゅっと力を加えている。 歯を食いしばり意外なほど冷静な思考を持って、刀を大きく振り上げる。 狙いは第一関節と第二間接の間であった。そこを斜め一直線に、四本全てを切り落とす意図である。 四人を抱いたのだから、一本では足りないはずであった。 短く息を吐き、まるで鉈を扱うかのように振り下ろした軍刀は、指の三分の一ほどを切り込むとそこで停止してしまった。 意外なほど痛みはなかった。刃と指との隙間からは真っ赤な血が漏れ出し始めている。 そのグロテスクな光景とは裏腹に、本当に何も感じられなかったのだ。 そしてそれはほんの少しあった後悔の気持ちを、完全に消失させたのであった。 包丁で堅い大根でも断ち切るかのように、彼はぎゅっと軍刀を押し込む。 刃は肉と骨とを断ち割り進み、そしてついに指先は四個のただの肉塊となった。 断面からは、想像以上に血が噴き出していた。提督は残る全ての布巾で、傷を強く押さえ続ける。 何時間かずっとこのままでいれば、いつかはどうにかなるはずだ。 これは個人で解決しなくてはならない問題であるから、医務室に行く気など欠片もなかった。 やり遂げたという充足感。だが血が抜けたためか、心の隅で急に自嘲の念も沸き始める。 自分ができる精一杯が、たかだかこの程度の女々しい芸者の心中立ての真似事だという現実は、歯がゆい思いを伴っていた。 じくじくと今更になって痛み出す指は、ひどく恨めしかったのだ。 どれほど時が過ぎたか、突如扉がゆっくり開いた。反射的に見た時計の時刻は、既に夜中といえるものであった。 訪問者が誰であるのかそこから予想はすぐに着き、そしてそれは今一番出会いたくない人でも会ったのだった。 加賀は薄暗い部屋の中、血生臭い匂いにただならない異常を感じ取っていた。 机の上の物騒な品の数々は、一歩部屋に入れば全て見て取れて、 この部屋に訪れた目的である謝罪だとかそんなことは一切まったく頭から消失した。 「何を……しているの」 呆然と言ったそれに、答える声はない。 早足で机に近づいた彼女は、真っ赤な布巾の数々と、血が抜けて真っ白になった指先をついに見つけたのであった。 愕然とした表情の加賀を見て、提督は何と言葉をかければいいのかまったく分からないでいた。 とりあえず気にしないでくれと言おうとして、しかしそれは加賀の叫びが遮った。 「何をしているの!?」 顔を上げると、彼女の瞳からはぼろぼろと涙が零れ落ちていた。 それを拭おうとして、だが自分の手は血まみれであった事が思い出され、どうしようもなくなってしまう。 そんなことをして欲しかったわけじゃないと、そう呟かれる言葉に提督は、それは違うと思ってしまう。 これは自分がやりたくてやったことであるから、加賀が泣くことはないはずなのだ。 やるせなさが心を締め付け、指の痛みなんかよりも、よっぽどそれが辛かった。 「早く、医務室に行きましょう! 早く!」 加賀ははっと何かに気がついたかのように、そう提督を急かし始めた。だが、それは拒否しなくてはならないことである。 自分が最後までやらなくてはならないことだと、そう何度も説明しても、彼女は首を縦には振らなかった。 いつしか提督の意識は薄れ始めていた。失血か、それとも過労の風邪がぶり返したのか。 最早判別はつかず、それでも彼女を思う気持ちだけは確かであった。 「加賀、愛している」 何とか口にできたこの言葉は、彼女の胸を静かに打った。 5 バッグを抱え外套を着込み、提督はこざっぱりとしてしまった執務室を出た。 馴染みの装飾品は最早無く、それはとても悲しい光景だった。 戸を開けてすぐの所には、雷が立っていた。彼女は提督が現れた瞬間、その体に突撃するように抱きついた。 提督は彼女の頭を撫でた。最後になる髪の感触に愛おしさを覚えながら、体温と匂いを記憶に刻む。 お互いに涙が出ないのは、既に涙腺を枯らしたからだ。 しばらく経って、雷はおずおずと提督から離れた。言葉は無く、真摯な視線だけで充分だった。 踵を返し歩き始めた彼の背中を、いつまでも見つめる。彼女もそれで満足だったのだ。 鎮守府の出入り口には不知火と天龍がいた。 廊下の端からこの二人が話している様子は見てとれて、そして提督にとってそれは初めて目にする光景でもあった。 今更ではあったが、それは暖かい気持ちにさせるものである。手を振ると、二人仲良くそれに応えてくれた。 抱擁を済ませ、キスもする。柔らかな感触は名残惜しく、それでもお互いに一回きりだ。 彼女らも言葉なく、黙って見送ってくれたのであった。 あの夜以来、加賀とは口を聞けていなかった。 彼女は自身の部屋に篭ってしまい、視線を合わせさるような機会さえ無かったのである。 そしてそれは仕方の無いことだと、提督は思っていた。愛おしい彼女の面影を思い浮かべながら、いつかは立ち直って欲しいと願う。 そしてその役目は自分には無く、後継の提督の任務なのだと、彼自身一番に理解していた。 迎えの車に乗り込んで、鎮守府には一瞥もくれずただただそこを去っていった。胸に空いた空虚な穴は、その暗がりを広めるだけだ。 「体の具合が良くなったら、またここに戻ってくるのですかな?」 気さくな運転手がそう声を掛ける。提督は静かに首を横に振った。 「ここの潮風に当たると、無くした指が痛むのです」 車は加速し、いつしか鎮守府は見えなくなる。アスファルトの隙間からは、気の早い蒲公英が顔を覗かせていた。
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84 :名無しさん@ピンキー:2014/03/07(金) 01 05 22.30 ID 1b33W5PM 曙「か、改装とかいって、私の裸が見たいだけなんでしょっ、このクソ提督!」 開口一番に曙は私に食って掛かる。 いつもの光景だが、今日はいつもとは少し違う。 先ほど自前で特別な護符を拵えたのだ。 特殊な術式によって相手の心が読めるというなんとも垂涎モノ・・・もとい、危険な代物である。 しかしやはりと言うべきか、使用条件がかなり限定的で、心を通わせていない者の心はあまりよく聞き取れない。 逆に言うとはっきり聞こえれば聞こえるほどお互いが信頼し合っている証拠となる。 そもそも何故このような護符を作ったかというと、深海棲艦の心を探るためなのだが、試験段階で上記のような致命的な欠点が見つかったために計画は白紙に戻っている。 改良も試みられたが、研究の結果それが不可能であることが分かった。 心のつながりのない者の心うちを知るには、精神破壊が必要だったのだ。 敵の心を知るためにその心を壊しては意味がない。 かといって信頼し合う仲になることは不可能だし、そんな仲になっていたらこんな戦闘は必要ないわけだ。 辛うじて読み取れたことは、「寒い、冷たい」という感情と強い憎しみだけだった。 この護符は凍結という決定がなされたが、当時の研究書は見ていたため呪印などすべて覚えている。 話がだいぶ脱線したが、つまり、いつも突っかかってくる曙は、果たして内心はどうなのか? と気になったという好奇心の元、この護符を発動させるに至ったというわけだ。 きっかけは曙のこの一言だった。 曙「気に入らないなら、外せば?」 そういう彼女の声は震え声だった。 あの時彼女はどんな気持ちだったのだろうか。 彼女に戦力外通知をした覚えはないし、彼女のミスを責めたことも一度もないのだが、知らず知らずに彼女を追い詰めていたのだろうか。 当然史実での彼女の不遇は承知している。 ふと、今の彼女の心が知りたくなった。 そして冒頭のセリフを言った後の声ははっきりとこう聞こえた。 曙「(ありがとってホントはいいたんだけどなぁ・・・)」 提督「ふむ・・・」 まさかここまではっきり聞こえるとは思わなかった。 かつて親に試した時でさえここまではっきりとは聞こえなかったように思う。 提督「そうか・・・。曙の今後の活躍に期待しているぞ。・・・」 曙「ふんっ!」 曙「(うれしい・・・///。絶対活躍してみせるわ!見てなさい!クソ提督♪)」 曙「私に十分感謝しなさい、このクソ提督♪」 曙「(すごいでしょ!?私がんばったよ!この勝利は敬愛する貴方へ捧げるわ!)」 先の作戦でMVPをかっさらった曙は、提督執務室のドアをドカンと開けると 頬を薄らと赤くさせて高らかに宣言した。 瞳はキラキラと輝き、こんなにはつらつとした彼女を見たのは初めてかもしれなかった。 ここ数日彼女と接してみて分かったことがある。 どうやら彼女は俗にいうツンデレのようだ、ということだ。 改修をすればするほど悪態をつくのだが、それは素直になれない彼女の照れ隠しだ。 髪が長くて維持が大変そうなのにずいぶんと綺麗だなと褒めたときなどは セクハラだと怒っていたが、心ではものすごく喜んでいた。 後日、さらに髪の美しさに磨きがかかり、いい香りまでするほどになっていた。 提督「じぃ~(やはり曙の髪は綺麗だなぁ・・・)」 日の光に照らされて艶やかな髪に視線を這わせる。 曙「何よ?こっち見んな!このクソ提督!」 曙「(見られると恥ずかしいのよ、ばかぁっ)」 提督「ふむ・・・」 ムクムクといたずら心が芽生え、曙のそばまで歩み寄る。 曙「何?何か用?」 曙「(近っ、近い近い!)」 そっぽを向いて不貞腐れた態度をとる曙だが、 何処となくソワソワしている。 提督「曙、MVPよくやってくれた。感謝している」なでなで 曙「なっ!?何で触るの!うざいったら!・・・・・・・・もう」 曙「(あ・・・うれしい!ホントはもっと撫でて欲しいけどこれ恥ずっ・・・///)」 さらに追い打ちをかけてみる。 提督「曙の髪はサラサラで心地よいな。心が落ち着くよ」なでなで 曙「し、仕方ないわね。ちょっとだけ・・・よ?」 提督「ありがとな・・・曙」なでなで 思わぬところで素直になった曙が意外だったが、 日頃戦いに出ている彼女を労わる気持ちでさらに撫でる。 曙「///」ムスー 曙「(ちょっとくらい・・・いい・・よね///)」 しばらく撫でていたのだが、居心地が悪いのかモゾモゾしだした曙の 上目づかいな視線と目が合わさる。 曙「あ・・・・」 曙「(提督の顔・・・近い。・・・・キス・・・とか。ね・・)」キュン 提督「・・・」なでなで・・・ぴた 顔を真っ赤にしてこちらを見上げる曙と、そのまっすぐな心の声に ドキっとして撫でる手を止めてしまった。 どうやらこの護符の効果は相手の感情に引っ張られるらしい。 そっと手を曙の頬に添える。 曙「ん・・・・」 目を閉じた曙のまつ毛は、小刻みに震えている。 綺麗なピンク色をした唇はキュッと閉じられ、 まるで侵入者を拒むかのようだ。 彼女の髪からふわっと心地よい香りが鼻をくすぐる。 提督「曙・・・・」 そっと腰に手を回して彼女を抱き寄せる。 少し前にかがんで彼女の唇に吸い寄せられるように顔を・・・。 バーーーン!! 島風「ていとくーーー ー!かけっこしよーーーー?」 曙・提督「!!」 突然やってきた島風に驚いた曙はパチっと目を開ける。 後数センチまでの距離だったため、見つめ合う格好になった。 曙「あ、あ、あ・・・」 どんどん涙目になっていく曙にどうしたものか、突然のことに頭が回らない。 島風「どうしたの?見つめ合っちゃって」 曙「わぁっ」ドン 提督「うわっとと」ぐいーーっ 曙・島風「きゃぁっ」どたんばたん 突然突き飛ばされたためバランスを崩し、咄嗟に伸ばした手で島風と曙を巻き込んで倒れ込んだ。 島風「痛たたた・・・。ていとくひどいよ!もう・・・。あ・・・!」 曙「んん・・ん・・・」 一緒に倒れ込んだ時に、幸か不幸か曙と先ほどの続きをすることとなった。 曙「んん!?んー!んーーっ!!・・・んはっ・・・はぁはぁ」 島風「ごめんね、上に乗っかっちゃってた」 曙「ッッ」 ガバっと起き上がると、曙は一目散に走り去っていってしまった。 提督「曙ッ!待っ・・・」 島風「おぅっ」ドターン 慌てて追いかけようと立ち上がったものの、島風の服のボタンと絡まってしまい島風を押し倒す格好になってしまう。 島風「ん・・・」 提督「・・・!!」 思い切り押し倒して口づけしてしまっていた。 島風「(あ・・・私、てーとくとキス・・・してる・・・)」 島風「んちゅっ・・てーとく・・・んふっ・・・」 島風「(てーとく・・・大好きだよ!)」 ドック帰りとはいえ戦闘後で高揚している島風は、切り替えが早く高まる気持ちを抑えきれずにしがみついてきた。(だいしゅきホールド) 護符の効果により島風の想いも強烈に流れ込んでくる。 さっき倒れた拍子に、右手は島風の胸の上にあり、ささやかながらもやわらかい弾力が指を押し上げてくる。 提督「島風・・・」 やさしく髪を梳いてやり、気持ちを落ち着かせてやる。 島風の目を覗き込み、愛おしむまなざしで語り掛ける。 提督「島風、俺もお前が好きだぞ。」 島風「てーとく・・・・」 すでに赤くなっていた島風の顔が、ポッとさらに赤くなる。 しかしそれは嬉しさ半分悔しさ半分である。 島風「・・・てーとく、ずるーい」 ぶぅ、と膨れる島風は、言葉にせずともこちらの心を読み取っていた。 おでこにキスをして島風から離れる。 島風「ぶーぶー」 島風「(絶対一番好きって言わせて見せるんだから!)」 不服そうな島風だったが内心は幸せいっぱい、残念がちょっとという感じだ。 口づけした唇をなぞり、キスされたおでこを触って見上げながら、にひひっと幸せが漏れていた。 島風「てーとくのことあきらめないんだからねっ!」 そう言い放ち、島風はパッと立ち上がったかと思うとあっという間に走り去ってしまった。 提督「・・・・やれやれ、どうしたものか」 あれはいずれ食われるな・・・(自分が)。覚悟をしておいた方がいいかもしれない。 そう思う提督だった。 島風の過去を視たときからどうも島風に懐かれてしまったのだが、まさかここまでの想いに膨れ上がっていようとは思いもしなかった。 護符がなくとも艦娘たちから好意の視線を感じていたが、やはりと言うべきか、いざ心を見てみるとこれでもかと情愛の念があふれていた。 嫌われていると思っていた曙ですらアレだったのだ。 他の艦も推して知るべし。 この護符について一つ分かったことがある。 心を通わせている者でも相手の心が読めない場合がある。 島風からは好きという感情が強すぎて他の心の声がかき消されていた。 どうやら伝えたいという気持ちが重要であるらしい。 ならば深海棲艦の伝えたかった事とはいったい何だったのだろうか・・・。 寒いといっていた彼女たちは何を想い、願っているのだろう。 彼女たちの魂を救いたいと、切に願わずにはいられなかった。 +後書き 90 :名無しさん@ピンキー:2014/03/07(金) 01 13 40.56 ID 1b33W5PM 以上です。 ケッコンカッコカリがものすごい重婚状態のためこのような流れににに・・・ いつかの島風の続き物だけど何故か曙の話になった。 そして我が艦隊の曙は遠征組でそれほど活躍してないんだけど キラ付けのたびにつついてたらあの震え声が気になってSSにしてみた。 ちなみに我が鎮守府の秘書官は如月で、大井っちや北上さんなどなど何名か愛人枠にいます。 いずれ登場させたいなぁ
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343 :6-632:2014/02/07(金) 02 09 48.35 ID 3RjczXZM 「どういうことだ、クソじじいども」 俺は激怒した。艦娘の生存率ばかり気にしてまともな戦果が少ない俺の艦に “アレ”の装備を強制執行しようとしているらしい 『あの武器だけは、やっぱり載せないで』 『あぁ、絶対載せないさ。お前の頼みだからな』 恋人の、北上の願いを踏みにじる訳にはいかない。 俺は咄嗟に改装工廠へ走って行った 「やめてよ!やめて!!こんなの載せていいなんて言ってない!」 工廠に着くと北上が絶叫しながら“アレ”の装備を拒んでいる 「提督も、載せないって約束してくれたのに!なんでなのさ!」 どんなに北上が叫ぼうとも聞く耳を持たない工廠担当のクソじじい共 「俺は、北上への“アレ”の搭載は認めていないはずだが?」 工廠担当に問う。まぁ、答えは“予想通り”のものだったが・・・。 「大本営の決定です。少将の御意向は関係ありませぬ。少将が止めよと厳命されましても、大本営の命である以上実行します」 そう良いまるで卑猥な笑みを浮かべると、嫌がる北上に無理やり“アレ”を取り付ける アレを取り付けらたショックからか俺が止められなかったショックからか 北上はただポロポロと涙を流すだけだった。 俺は耐えられなかった だから、護身用の銃で工廠のクソじじいをぶち抜いてしまった。 「守も攻めるも黒鐡の浮かべる城ぞ頼みなる・・・」 ここに来てから何日立つのだろう。俺は何回“行進曲 軍艦”を口ずさんだんだろう あの日、工廠のじじいをぶち抜いたその後、憲兵にひっ捕らえられ、投獄された 当たり前と言えば当たり前の事ではあるのであるが 俺が投獄されてから、ずっと北上は俺の牢の前から動こうとしない 「北上・・・。いいかげん新しい司令の命令を聞いて出撃しろ。出ないとお前も」 俺は北上を諭す。新しい司令の命令無視を繰り返し俺の牢の前にずっといる いくら艦娘とて、命令無視と敵前逃亡で軍法会議にかけられれば処刑は避けられるであろう それは嫌だ。絶対に北上には生きていてほしい。 「アタシ、提督の命令じゃないと戦場に出たくない。新しい提督の命令無視して牢屋にいれられるなら、それで良い」 不安なのか、寂しいのか、それともこの牢が寒いからなのか北上が震えている 俺は毛布を手を出すのがやっとの大きさの鉄格子から北上に手渡した 「ありがとね、寒かったんだ・・・。でも寒いだけじゃないよ?」 北上の目にどんどん涙が浮かんでくる 「好きなのに、大好きなのに提督と手もつなげない、キスもできない、エッチだって」 北上が絞り出すように言う 「俺だって・・・」 そう言い、鉄格子から手を出し指を絡める。 「ほら、手ぐらいつなげるだろ?だから」 北上は力なくうなづいた。 そして、俺の牢の前から姿を消した 北上は毎日俺の牢まで来て色々な話をしてくれる 新しい提督は、艦娘の生存率よりも戦果を優先して皆嫌っていること 第六駆逐隊が疲弊していても、中破レベルの怪我をしていても進撃させること 北上いわく、新しい提督は駆逐艦は消耗品としてしか見ていないかもとの事 そして、そんな姿をみて心配してしまうからウザイとのことだった そんなたわいない会話をしているときだった 「ねぇ、提督・・・。シたい」 突然北上が行ってきた。 「あのさ、エッチはできなくてもこの鉄格子の大きさなら口ではできるでしょ」 そう言い、指を絡めてきた。 俺も投獄されてから満足にオナニーすらできず、かなり溜まっていた 俺は反り返った性器を鉄格子から北上に向けて突き出した 北上の口が俺のペニスを飲んでいく 亀頭を丁寧になめまわし、裏筋を刺激するように咥えながら舌を使ってくる 口内の温度と絶妙な舌技で、溜まりにたまった俺はあっけなく北上の口内へ 大量に射精してしまった。 「提督・・・。ごめんね」 そういうと、北上は突然下半身を露出させ果ててもなお大きさを保つ俺のペニスを 自分の性器にあてがった。 「アタシも欲しいよ。提督の、だから」 そう言いつつ、北上の性器は俺のペニスを飲み込んでいく。 しかし、鉄格子のせいで奥まで、根元まで入れることはできない。 sれでも俺は北上を満足させたい一心で、気持ちよくなりたい一心で小刻みに腰を動かした 牢獄に似合わない水音と北上の甘い声 「提督・・。奥まで欲しい、無理なのは解ってる。でも奥まで」 「ごめん、俺も北上の奥まで入れたい。もっと深く愛したいでも」 北上と俺の間をふさぐ鉄格子が憎い そんな状態でも「大好きだよ提督」と何回も何十回も言ってくれる北上に愛しさを感じつつ 二回目の射精を迎えようとしていた 「北上、俺」 「うん、提督のちょうだい、アタシも一緒に」 その言葉を聞き北上の中に今まで以上に射精した。 行為を終え服を整えた後に普通の恋人同士ならキスをするのが定番だろうが 鉄格子が有るがゆえに、互いの指を絡ませた 北上と数日振りに交わった夜の事だった 『司令官・・・。もっと私を頼ってくれてもいいのよ』 「ん?なんだ雷まで来てくれたのか」 『そんなんじゃ、ダメよ!』 「まぁ、俺がやったことだしな。良くて一生このまま、悪くても銃殺だろ?」 たわいない会話に思えた。唯一違和感を感じた所は・・・・。 会話していたはずの雷が帰る時に、光に包まれながら消えて行ったことだ 嫌な予感はしていた 次の日、俺の牢の前に現れた北上の表情はいつもにまして硬かった 「あの、新しい提督さやっぱり駆逐艦の事何とも思ってないんだよね」 第一声がそれだった 「雷が沈んだのか?」 北上は驚いた表情でなぜ知っているのかと尋ねた 「実はあの後な、雷が俺の牢まで来てな。最後に歩いて帰らずにスーっと消えちまったんだ」 夢枕に立ったと表現しても良いだろう。 北上情報によれは、俺の代わりの提督は功を焦るばかり、複数の駆逐艦の傷を放置 そのまま進撃させそのまま沈めたそうだ それに金剛姉妹、加賀、北上をはじめとする軽巡・雷巡が不信感と怒りを露わにしていると の事だった。 無論命令違反も そこがターニングポイントになってしまった 翌々日俺の軍法会議 裁判は5分もかからず俺の死刑が確定した その日がやってきてしまった 俺は目に白布を掛けられ、椅子に座らされ、手足を縛られている 海軍ご自慢の銃殺刑という訳だ 執行役が到着するが様子がおかしい 「アタシがなんで提督を殺さなきゃいけないのさ!」 軍上層部は“命令違反・軍規違反”を繰り返す元俺の艦娘達への見せしめのためにも 北上を執行人に指名したのだ どこまで腐敗してやがるのか底が見えない状態だ 「北上!俺の最期の命令だ!この命令に従え!絶対だ」 俺は声を張り上げた、 北上の声にならない叫び、これが最期に聞いた「音」だった *************************************************************** アタシは恋人を殺した。 もう何もかもわからない どうして“アレ”を載せておけばよかったの? 何でアタシなの? もう嫌、なんでアタシばっかり ********************************************************** アタシはろくに入渠もせずにこの作戦に従事している 大好きだった人の後任の提督はまさにクソ提督と言う奴で本当にウザイ アタシは満身創痍。もう2・3発食らったら沈みそう いや、本当は沈みたいから入渠していなんだ。 秘密裡にイムヤにお願いしてあるんだ。アタシが沈んだら取り合えず陸まで運んでって 木曾にお願いしてあるんだイムヤがアタシを陸に上げたらあの人と一緒のところに埋めて欲しいって 「帰投せよ、帰投せよ」 何か聞こえたけど、気にしない。さて前進しますか あ、ヤバいフラグシップの戦艦が居る。 直撃コースだこれ・・・・。 ねぇ、あっちの世界でも会えるよね・・・。アタシの大好きな提督 **************************************************************** 木曾は死者を冒涜するのは嫌いだがと前置きをしつつ、 元上司である提督の墓を掘り起こした。もう既に数か月が経過しており 亡骸は骨だけになってしまっているが、その骨に寄り添うように北上を安置した 最期の手向けと言わんばかりに、冷たくなった北上の手をそっと骨の上に置いた 見間違えかもしれないが、一瞬北上が微笑んだように見えた “あの世”で二人が再会し、仲睦まじく永遠の愛を誓えることを祈り 土をかぶせた +後書き 348 :6-632:2014/02/07(金) 03 12 30.55 ID 3RjczXZM 以上胸糞悪い作品おわり ちなみに、雷の描写は実際に駆逐艦雷が轟沈した夜工藤艦長の元に 部下だった乗組員が枕元に立ち、艦長!艦長!と言いながら消えて行った話を ベースにしてみました 次は誰か孕ませるかまたシリアス系にするか思考中です 349 :名無しさん@ピンキー:2014/02/07(金) 03 15 07.90 ID BUVFWGbX 343 北上がアレのせたくないのは命の重さを知ってるからなのに 提督があっさりと殺しちゃだめだよね 案の定BADENDまっしぐら・・・ もしその状況で最善の手があったとしたら 後任が酷い作戦実行するような息のかかった奴が送られてくるの予想できるんだし 提督は退任させられないように適度に戦果挙げつつ 最小限の犠牲になるようにするしかなさそうだな たとえ最小限とはいえ犠牲を出す作戦で艦娘たちに嫌われたとしても 自分も紳士スレに北上にアレ強引に乗せる小ネタ書いたんだが結末が違いすぎてびっくりしたw